未公開株など”買え買え”詐欺が増加

被害者役の警察官から話を聞く窓口担当者(宇部郵便局で)

昨年から、金融商品でのもうけ話による詐欺の被害が、高齢者を中心に相次いでいる。未公開株や社債、知的財産などの怪しい権利の取引を巧妙な手口で持ち掛けられ、被害者が気付くのが遅くなる。宇部警察署(徳永幸弘署長)は、最後のとりでになる金融機関の窓口職員に、早く被害に気付いてもらえるよう、シミュレーション訓練を始めた。

県警が「買え買え詐欺」と呼ぶ特殊詐欺の被害は昨年急増した。被害届は47件(前年比27件増)で、被害額は2億9653万円(同1億8791万円増)だった。一方、振り込め詐欺は46件(8件増)で、被害額は7127万円(同1554万円増)。増加幅は買え買え詐欺の方がはるかに大きく、詐欺グループの手口がシフトし、主流になりつつあることが分かる。
手口は、立場が異なる複数の犯人が勧誘してくる「劇場型」。実態のはっきりしない権利などを買わせるシナリオが共通する。販売会社からパンフレットや申込書が封筒で発送され、別の会社をかたる共犯者が「封筒が届いた人にしか購入できない」と説明。代理購入を勧めて「高値で買い取る」「謝礼を支払う」と契約をあおる。契約させるためなら金融庁や国民生活センターなど公的機関の職員役まで登場させる。「あの会社は信頼できる」などと言うケースもある。最終的には連絡が取れなくなり、権利証券もどきが手元に残る。
宇部市の80歳代の男性は昨年11月上旬、仏像買い取り業者をかたる男からの電話をきっかけに、販売会社から仏像7体を約1100万円で購入した。山口市の80歳代の男性も人工多能性幹細胞(iPS細胞)の架空の特許譲渡権として2000万円をだまし取られた。投資対象は、話題性や将来性、社会貢献につながりそうな事業が多く見られ、一人当たりの被害額は高額になる。
同署生活安全課の藤本浩治課長は「客の言葉から被害に遭っているか引き出して」と協力を呼び掛けた。川越局長は「全員が市内で被害を出さない強い意志を持って臨みたい」と話した。同署では、ほかの金融機関でも積極的に訓練を行い、事件の早期発見を目指す。
国民生活センターによると、業者の登記や所在地などの実態が確認できず、代理購入で利益を得られたケースは今までに1件も確認されていない。
対策として、他社との契約を勧める話に耳を貸さず、周囲が高齢者がトラブルに遭っていないか気を配るように呼び掛けている。

カテゴリー:事件・事故2013年2月7日

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