児童切り付け事件、両親「気持ちに区切り」

昨年1月、宇部市島2丁目の住宅街の路上で、下校途中の小学2年生(当時8歳)が包丁で切り付けられた通り魔事件で、山口地裁(長倉哲夫裁判長)は15日、殺人未遂の罪に問われた同市則貞6丁目の無職、山田昌宏被告(24)に懲役16年(求刑・懲役15年)の実刑判決を言い渡した。検察側の求刑を上回る判決は県内の裁判員裁判で初めて。

判決では、被告は高校卒業の翌年の2008年1月ごろ、アルバイトを辞めてから自宅で引きこもりがちになり、次第に女児に対してわいせつ行為をしたいとの倒錯した小児性愛の欲望を募らせた。犯行後は、女児を含む目撃者を殺害して発覚を免れようと考えるようになったと指摘。
起訴状の通り、1月24日に刃渡り約20㌢の包丁で、女児の顔や首を多数回刺すなどして、入院加療281日間の重傷を負わせたとした。
犯行当時、被告は統合失調症の影響で心神喪失または心神耗弱の状態だったとする弁護側の主張を退け、被害者に対する殺意と犯行当時の完全責任能力を認定した。
量刑の理由について、計画的に下校途中の何ら落ち度のない女児に狙いを付けて通り魔的に犯行に及び、抵抗する弱者を狙った理不尽で卑劣極まりない非常に悪質な犯行と指摘。
犯行は残忍極まりなく、被害者が後遺症で激しい運動ができないなどの肉体的苦痛は計り知れず、心の傷も大きく、犯行時に感じた恐怖も強烈とした。
被害者の父母が受けた精神的苦痛と看病での肉体的経済的負担も大きく、地域社会に与えた衝撃や不安が大きいとした。
服役中にゆがんだ性嗜好(しこう)や反社会的な性格傾向を矯正して再犯防止を図るために長期にわたる特別な処遇が必要とした。
判決では「犯行動機や悪質性、結果の重大性から検察官の求刑はやや軽きに失する」としており、地検は「裁判員の真摯(しんし)なご判断の結果。謙虚に受け止める」とコメントした。
県内の裁判員裁判で初めて、被害者参加制度で証言台に立った被害女児の両親は「判決を聞いて気持ちに区切りを付けることができた。これからは家族一緒に静かな生活をしたい」と山口地検を通じてコメントを出した。
全ての公判を傍聴した山口被害者支援センターの山根和子事務局次長は「被害者参加制度で家族の思いがより伝わったのではないか。センターとして必要があれば支援する」と話した。

カテゴリー:事件・事故2012年3月16日

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