山大不正経理でシンポ

活発に意見交換したシンポジウム(山大工学部で) 公的研究費をめぐる不正経理問題で、山口大は二日、同大常盤キャンパス(宇部市)で、教職員を対象にシンポジウムを開いた。学外の専門家をパネリストに招き、研究者倫理をテーマに意見交換。再発防止のシステム構築と意識改革の重要性を改めて確認した。

 同問題は、三十一人の教職員が関与し、二十六人が懲戒処分を受けた。このうち私的流用が明らかになり、懲戒解雇された大学院理工学研究科の元教授について、山口地検は詐欺容疑で強制捜査している。
 元教授以外は、研究費を次年度以降も使えるように業者にプールする「預け」が主な手口。法令順守への意識の低さが浮かび上がった。今年度中に五回の研修会を計画し、今回が四回目。
 シンポジウムには二百人が出席。丸本卓哉学長が「関与者は今後、四年間は公的研究費の申請ができないなど、理系研究者にとっては大きな痛手。社会の信頼も失った。見る目の違う人の意見を聞き、二度と起きないようにしたい」と述べた。
 この後、パネルディスカッションを開催。宇部興産の柏木公一・企画管理部研究推進グループリーダーは「不正防止のシステムと風土を継続してつくることが重要」「コンプライアンス(法令順守)は、ブランド価値を高めるだけでなく、管理コストを低減し、働きやすい職場をつくる」と、民間ならではの視点を示した。
 文部科学省の笹川光・研究振興局学術研究助成課学術団体専門官は「二〇〇三年度以降、使い切れなかった研究費を次年度以降、繰り越せる制度が導入された。年々変わる制度をよく知る必要がある。研究者、事務方、文科省の三位一体で運用管理を推進したい」と述べた。
 技術ジャーナリストで丸山正明・元日経BPプロデューサーは「グローバル化の進展で今後、海外の企業と多額の資金で共同研究する時代になる。研究者個人ではなく、運用管理のプロがルールに従って運営する体制を整備することが急務」とした。

カテゴリー:事件・事故2010年12月3日

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