不正経理再発防止へ全力

真剣な表情で説明を聞く教職員(山口大常盤キャンパスで) 公的研究費をめぐる不正経理に揺れる山口大は六日、教職員を対象に宇部市常盤台の常盤キャンパスで初の研修会を開催した。これまでの調査から、研究費の使用ルールへの理解不足や私的流用でなければ構わないといった認識の甘さが背景にあった点が示され、意識改革など再発防止に向け、大学挙げて取り組むことを誓った。

「研究者倫理の再構築に向けて」と題し、山口市の吉田キャンパス、南小串の小串キャンパスとネットワークでつなぎ、全学で六百三十七人が参加した。丸本卓哉学長が「失墜した信頼を一日も早く取り戻したい。税金を基礎とする研究費をいただいていることを再認識し、これを契機に新しい山大の再生に全力で取り組む」と述べた。
防止策として▽今回を含む研修会を今年度五回開催し、使用ルールの周知徹底を図る▽納品検収センターの人員を四人から十人に増員して厳格な検収を行う▽財務監査指導室を設置して監査体制を強化するとした三つの柱を示した。
内部調査委員会の委員長を務める瀧口治副学長がこれまでの調査から不正経理の構造要因を分析。一人の工学部元教授の着服を除いて、ほとんどのケースが、次年度に繰り越せず目的外に使用できない研究費を、いずれ研究に使う目的で業者へプールする「預け」とした。広島国税局から「古典的な手口」と指摘されたことを明かした。
法人化以降、巨額の競争的資金を扱うようになってからも、意識や管理はそれ以前の基盤的経費に依存していた時代のやり方から脱しておらず、使用ルールに疎かったり、管理を業者任せにしていたりして、ずさんな経理が生まれる素地があったことが浮かび上がった。
研究者倫理について話した西田輝夫副学長は「十年前に正しかったことが、今は正しくないことがある。常に時代の要請を見極める必要がある」と述べた。
不正経理問題では四十人以上が関与したとされ、六月末までに調査を終え、文部科学省などに報告する方針。
この報告を基に、関与者本人だけでなく共同研究者も競争的資金をはじめとする研究費に一定期間、応募できなかったり、既に決定している資金の返納を求められたりするなどの厳罰が科せられる。
今回、同大の第一線の研究者が多く関与しているとされ、基盤的経費が年々減少し公募型の資金獲得が主流となる中、罰則は今後の研究活動に大きな痛手となることが懸念される。

カテゴリー:事件・事故2010年5月7日

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