サルによる農作物への被害が拡大している。宇部市内では小野地区を中心に群れが出没していたが、数年前からは吉部、万倉地区でも見かけられるようになった。関係者は「用心深く駆除が難しいが、対策を徹底しないと個体数は増える一方」と心配する。

小野地区では、畑のカボチャやダイコン、ナス、トウモロコシをはじめカキなどのなり物を食い荒らし、農家を困らせている。捕獲したサルに発信機を付けた首輪をして放ち、群れが現れると回転灯で知らせる実証実験を行ったこともあったが、根本的な対策にはなっていなかった。
ここ数年、サルの個体数が急増。宇部猟友会の村中育雄さんは「小野周辺には100匹を超える大群が1グループ、30~40匹の群れが3グループいる。今シーズンは春先から既に17匹を銃で駆除した。棯小野、平原、美保におりも設置しているが、こちらはなかなか入らない。撃てば山口市の方に逃げ込み、あちらで撃ったら宇部に戻るの繰り返し」と嘆く。
農作物被害は拡大。上田久満治さん(85)=市小野=は「今年は特に多い。人がいないのを見計らって畑に入る。収穫前のスイカを十数個食べられたし、屋根の上を走り回って困る」と頭の良さにお手上げだ。
市農林振興課林務係によると、6月に二俣瀬山中でくりまさるのカボチャ畑が群れにやられ、7月には中山観音近くの農業用倉庫に置いていた出荷前のくりまさるが、はぐれサルに35箱のうち半分ぐらいを開けられてかじられたという。
小野中心だったサルの群れによる被害は周辺にも拡大。吉部、万倉でも出没するようになり、今富ダム周辺でも確認されている。
林務係の調査ではサル捕獲数は2011年度が35匹、12年度が38匹、13年度が27匹。09年度に51匹という記録があるが、それ以前の捕獲数は1桁で推移してきた。
猟銃による駆除は有効だが、イノシシなど他の有害鳥獣と違い、人間と似ているので撃つのを嫌がる人がいる。担い手の猟友会自体も高齢化で引退する人が多く、猟銃を撃てる人の数は5年前の3分の1に減少しているのが現状だ。
県内の鳥獣被害は13年度が5億4000万円で、鳥獣別では①イノシシ2億4000万円②サル1億2000万円③シカ9800万円とサル被害が上位に入っている。県農林総合技術センターでは「10年度の1億8700万円をピークにサル被害は減っていたが、昨年から今年にかけて被害が拡大している。集落が減り、守れなくなったエリアに新しく出没する傾向にある」と分析する。

カテゴリー:事件・事故2014年8月19日

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