脳脊髄液減少症に「ブラッドパッチ治療」興産中央病院など導入

交通事故やスポーツで体に衝撃を受けたことにより、脳脊髄(せきずい)液が漏れ続けて、頭痛、首や背中の痛み、目まい、嘔吐(おうと)、耳鳴り、睡眠障害、全身倦怠(けんたい)感などを引き起こす「脳脊髄液減少症」。むち打ち損傷との関連を指摘する専門家もおり、近年関心が高まっている。県では医療情報を提供するため、県内の全148病院を対象に同疾患に対するアンケート調査を実施。このほど結果を公表した。 この病気は発症の原因や病態について不明な点が多く、統一的な診断基準や治療法の確立に向け、現在国が研究を進めている段階。県のアンケートは1月下旬から2月中旬にかけて行い、85・1%に当たる126病院から回答を得た。

県健康福祉部健康増進課によると、「診察」を行っていると回答したのは20病院、「治療」を行っているのは7病院、有効な治療法の一つとされる「ブラッドパッチ療法」を導入しているのは4病院だった。
診察などをしている病院のうち、名前の公表に同意した15病院の情報は、ホームページで公開している。それによると、市内では宇部興産中央病院、山口大医学部付属病院、宇部協立病院、セントヒル病院が診察をしており、中央病院だけは治療とブラッドパッチ療法も行っている。
宇部興産中央病院(福本陽平院長、406床)が、ブラッドパッチ療法を取り入れたのは約1年前。患者本人の血液を背中から注入し、血液の凝固作用で脳脊髄液が漏れる部分をふさぐのが同治療で、保険の適用外。同院では水分補給や自宅安静で2週間程度様子を見た後、麻酔科とも連携して2人の患者に治療を施し、症状が劇的に改善した。
脳神経外科の西崎隆文部長は「起床して、座ったり歩いたりした時に、15分以内に頭全体が痛み、横になると30分以内に治まるのが典型的な症状。これが連日続くようであれば、脳脊髄液減少症の疑いがある。一度脳神経外科や神経内科の受診を」と勧める。
ブラッドパッチ療法は、早い時期の方が効果が高いとされる。問い合わせは同院(電話51─9221)へ。
交通事故が原因で、脳脊髄液減少症と診断されるまでに10の医療機関を渡り歩いたという市内の男性は「頭や首、ひじ、腰の痛み、手足のしびれ、目まい、耳鳴り、不眠などの症状があり、立っていられない状態だった」と回顧。「不定愁訴が主で周囲に理解されづらく、苦悩した。病気のことを一人でも多くの人に知ってほしい」と訴える。

カテゴリー:その他の話題2010年3月24日

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