棯小野の重本さん、分蜂に力

養蜂の広がりを願う重本さん(棯小野で)

宇部市棯小野の農業、重本衛さん(64)はニホンミツバチを飼育して10年。試行錯誤を繰り返し、今では自宅の周りに10箱の巣箱を設置して大切に育てている。西洋ミツバチに比べると採れる蜂蜜の量は少ないが、自家用には十分で、どこか懐かしい味がするという。興味がある人には、巣箱作りから教えてくれる。

53歳で脱サラして実家の農業を継ぎ、養蜂も知り合いからハチを分けてもらって始めた。「昭和の初めは砂糖が少なく、どこの農家もミツバチを飼っていた」と振り返る。父親の作業を手伝った記憶をたどり、雰囲気はつかめたが、養蜂場に行ったり、本を読んだりして知識を詰め込んだ。
ニホンミツバチは古来から人と共存している。西洋ミツバチより小型で、穏やかなのが特徴だ。重本さんは巣箱を最初から設計し、スズメバチが入り込まないように出入り口の大きさを独自に設定したり、ふんもきれいに掃除できるように工夫したりした。
農繁期と重ならない8月に蜂蜜が採れる。巣箱を開けるとウエハース状になった巣の間にぎっしり。遠心分離器は使わず、高温になる夏の車内で溶かして分離する。自宅の周りにはツバキやサザンカ、ビワ、梅、桜があり、ニホンミツバチならではの「百花蜜」になる。一つの箱から年間2~3㍑、10箱で20~30㍑。自家用はもちろん、知り合いに分けて喜ばれている。
市が企画した養蜂体験講座にも協力し、参加者に巣箱の作り方を教えたり、質問に答えたりした。5年前、巣の材料となる蜜蝋(みつろう)を好んで食べるスムシ(ハチノスツヅリガ)の幼虫に全滅寸前に追いやられたが、分蜂で危機を乗り越えた。自身のノウハウを惜しげもなく伝えるのは、仲間づくりの大切さを苦い経験で実感したからだ。
重本さんは「蜂蜜はおいしいし、健康にも美容にもいい。分蜂さえできれば初期投資も少ないし、趣味と実益を兼ねて飼育できる。天敵に全滅させられた時などのために少しでも飼育のネットワークが広がれば」と語った。3月、8月にも体験講座を受け入れる考えだ。週末養蜂を楽しむにしても、ある程度の飼育規模になると、趣味、生業に限らず、県に届け出なければならない。

カテゴリー:その他の話題2013年2月15日

写真注文はこちら
無料試読キャンペーン
宇部日報購読案内
サンデージョブ
サンデーうべ
サンデーワイド
サンデートレンド
Sundayうべ・おのだ
Sunday西京
サンデーネットワーク
全国郷土紙連合
新聞協会
選挙権を持つ君へ
アーカイブ
single