戦争捕虜の息子が収容所跡地訪問

大浜収容所跡地で当時の話を聞くリチャードさん(右、大浜で)

オーストラリア在住のリチャード・フラナガンさん(51)が11日、父親が戦争捕虜として収容されていた、山陽小野田市の大浜収容所跡地などを訪れた。同収容所の警戒員だった佐藤市男さん(92)=南松浜町=から当時の捕虜の生活などを聞き、思いをはせた。

父のアーチさんは元オーストラリア兵で、現在98歳。戦時中の同収容所では大浜炭鉱で採炭作業に従事させられていた。リチャードさんはベストセラーを生み出した小説家で、数々の賞に輝くなどオーストラリアを代表する作家の一人。
収容所跡地では、佐藤さんが当時の配置場所などを説明し「私たちは軍人とは違う。たばこを渡すなど、親切に接していたつもり。解放された時には一緒に観光に行こうと誘われたりもした」などと、収容者との交流にも触れた。
小さい頃から父親に収容所時代の話を聞いていたというリチャードさんは「現地を訪れ、改めて戦争がもたらす苦しみや悲しみを考えるとつらい。込み上げてくるものがある」と感傷に浸った。
来日前には父親から「捕虜は戦時中ならどこでも起こり得たこと。憎んではいない。今の日本を見てこい」と言われたという。案内を受けた佐藤さんや市職員に感謝の気持ちを述べ、父親にも伝えたいと笑顔を見せた。
収容所跡地のほか、本山収容所跡地でも当時の話を聞き、大浜炭鉱の坑口や座礁した捕虜輸送船の残骸も見学。竜王山の山頂からは周囲を見渡した。10日には白井博文市長を表敬訪問した。
大浜収容所は1942年、八幡仮俘虜収容所宇部分所大浜分遣所として開設。終戦時にはオーストラリア人244人、イギリス人142人、アメリカ人3人、フランス人1人の計390人が収容されていた。

カテゴリー:その他の話題2012年12月12日

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