西岐波の石井さん、弦楽器工房 独自の技法でファン増やす

こだわりの製法で作ったバイオリンと石井さん

県内で唯一バイオリンやチェロなどの弦楽器を製作している工房が、宇部市西岐波大沢西後にある。石井秀太郎さん(37)の「石井弦楽器工房」。2009年、岩国市から宇部市へ移転した。こだわりの技法や丁寧な仕事で、着実にファンを増やしている。

木の優しい香りが漂う工房内で、楽器の製作やメンテナンス、修理を行う。使用する木材はドイツから仕入れたカエデやスプルース。分厚くカットされた板を丁寧に削り、部分ごとの形を作って組み合わせる。
石井さんの製法は、弦楽器製作の主流とされているクレモナスタイルではない。あえて製作学校には通わず、日本を代表する名工の重野汎さん(埼玉県)とイタリア・ローマに住む弦楽器製作の巨匠、ジャンパオロ・サヴィーニさんに個人的に弟子入りして学んだ。
「2人の師匠の音を聞いたとき、素晴らしいと思った」と石井さん。時間やカリキュラムに縛られることなく名匠たちの楽器製作に触れ、伸び伸びと実践的な修業を積んだ。独特の技法で作られた楽器は、初めて使った演奏者にも〝昔から弾いていたような安定感〟を与える。
バイオリニストの父とピアニストの母を持ち、自身もチェロを演奏する。進路は両親の勧めではなく自分で決めたが、幼い頃からプロの演奏を聞いていた経験が鋭い音感を育んだ。
弦楽器職人を本格的に志したのは大学3年の頃。一刻も早く夢を実現するために大学を中退し、1998年、父のバイオリンのメンテナンスを担当していた重野さんに弟子入りした。2002年から1年間はローマの師匠の下で学び、現在も定期的に足を運んでいる。
ポリシーは、とにかく試奏してもらうこと。貸し出して慣れた環境で試してもらうことにしている。石井さんは「古い楽器が優れているというイメージを持っている人が多く、日本人製作の新しい楽器となると選択候補からはじかれやすい。本場じゃなくても日本人でも、良い楽器ができるんだということを知ってほしい」と語った。
営業時間は午前10時から午後6時まで(正午から2時間を除く)。予約制。問い合わせは同工房(電話38━6275)へ。

カテゴリー:その他の話題2012年12月11日

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