崩れた炭焼き小屋復活、吉部で有志が試行錯誤

窯出しを行う山本さん、中井さん、高木さん(左奥から、東吉部で) 昔ながらの炭焼き小屋が宇部市東吉部で復活し、地元有志が23日、初の窯出し作業を行った。

岡山(420㍍)の山すそ。あるじを失った土窯は10年近く、荒れるがままに放置されていた。小屋は崩れかけ、甲と呼ばれる窯の天井部分が落ち、周囲には竹がうっそうと茂っている状態だった。
「田んぼに影をつくる堅木を切ったんで、炭を焼こうと思うが」と、西吉部の山本孝久さん(67)が1カ月ほど前に発案。相談を受けた同所の高木圭吾さん(66)が現在の所有者の了解を得て、一緒に復旧作業を始めた。
炭焼き自体については2人とも詳しい知識がなかったため、地域で経験豊かな大滝人彦さん(76)に指導を仰いだ。
甲は、窯の内部に木を密集して並べた上に、むしろ代わりのござを敷き、上から赤土をかぶせ、締め付けるようにたたいて復元。たき口や煙道はそのまま利用した。窯の上には真新しい屋根を築いた。
日々よみがえる炭焼き小屋の姿に接して、近くで体験農園「水尻川農園」を運営している中井良一さん(60)は「男3人が集まれば、山が動く」と、実感したという。
火入れは17日に行ったが、窯の温度を一度に上げ過ぎてしまったため、甲が大きく干割れを起こす緊急事態が発生。練った灰と泥を幾ら上から塗っても、すぐに剥げ落ちてしまう状態だった。
大滝さんの助言で、屋根に通したはりから甲をつり下げるという応急処置を施し、土窯が崩れる事態だけは回避。しかし、内部に空気が入ったためか、予定日を過ぎても温度が下がらず、窯出しされた炭は、ほとんどが使い物にならないくらいに燃え尽きていた。
枝打ちや間伐で出た材木を有効利用する炭焼き小屋は、かつて里山の景色になくてはならないものだったが、吉部地域全体でも数えるほどに少なくなっている。
山本さんらは、次第に増えてきた仲間の応援を受けながら、初回の失敗にもめげず「まずは、炭焼きを成功させること」と、技術の継承を誓っている。

カテゴリー:その他の話題2012年4月24日

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