「命のリレー」成功事例研究フォーラム

救命現場の様子を伝えたパネリストたち(ANAクラウンプラザホテル宇部で) 心肺停止した37歳の男性が、救命の連鎖によって無事に社会復帰を果たした成功事例の研究フォーラムが30日、ANAクラウンプラザホテル宇部(旧宇部全日空ホテル)で開かれた。実際に救命に携わった救急隊や医療関係者が一堂に会し、当時の心境を踏まえながら具体的な動きを回顧。各自の役割を明確化し、仕事に対する誇りや使命感を新たにした。

テーマは「救われた命 救った人々 命のバトンリレー」。最初に患者を受け入れた宇部興産中央病院の地域連携室と、市消防本部警防課が共催し、ステージ上では8人が発表。県内各地の救急救命士ら約100人が耳を傾けた。
男性は急性心筋梗塞のため、午前7時40分ごろ勤務先の東岐波の駐車場で突然倒れた。119番通報を受けた市消防本部通信指令課の岩﨑百合隆課長補佐(救急救命士)は、事務所からの1報に続き、現場の同僚から「意識、呼吸がない」との第2報を受けて、救急車と消防車を同時に向かわせる〝救命出動〟を指示。胸骨圧迫の口頭指導も行い、同僚2人が人工呼吸と心臓マッサージを施した。
現場に駆け付けた東部出張所の飯田正明救急救命士は、除細動などの応急処置や病院連絡について報告。救急車に乗り込んで心肺蘇生を手伝った柴田欣浩消防係長は「車内は処置をしているというより〝絶対助ける〟という思いで闘っている雰囲気だった」と振り返った。後日、無事に回復したと聞き「この仕事をしていて良かったと実感した」とも語った。
患者は直近の宇部興産中央病院に搬送された。当直医だった眼科の湧田真紀子医長は、他科の医師も来ていると予測して受け入れを即決し、メンバーを招集。緊急処置を行った循環器科医師の森谷浩四郎副院長は、持続する心室細動が難治性か再発性かを判断して対処したことなどを伝え、救急・外来の上田三千代看護師長は院内の各部署との連携や家族への対応を報告した。
男性は脳保護のため3時間後に、山口大医学部付属病院先進救急医療センターに移送。担当した河村宜克助教は、治療や回復状況を発表し「救命センターに到着する前のドラマを生で聞けて大変良かった」と感想。
センター長の鶴田良介教授は、緊迫した現場でも、どこかにゆとりを持つ必要性があると指摘した上で「救急医療は多職種でまとめ上げていくもの。きょうは、いろいろな情報を共有でき、成功例の喜びを分かち合えて何より」と締めくくった。

カテゴリー:その他の話題2012年1月31日

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