山大付属病院と宇部薬剤師会、副作用検出へ連携

イラスト付きのチェックシートで患者に症状を聞く清水さん(伊藤回生堂回生堂薬局で) 山口大医学部付属病院(岡正朗病院長)と宇部薬剤師会(藤本正夫会長)はこのほど、「副作用検出システム」の運用を開始した。同病院の外来患者が処方箋を保険薬局に渡して薬を出してもらった後、保険薬局が患者の自覚症状を継続的に把握し、同病院へフィードバックする。抗がん剤や新薬などのハイリスク薬が対象で、重い副作用を早期に防ぐのが狙いだ。大学病院と地域の保険薬局が連携して安全性の向上を図るのは全国で初めて。

肺がん治療薬イレッサなど新薬の重い副作用が社会問題となる中、安全性に関する情報の迅速な提供と共有を図る仕組みのモデルケースとして注目を集めている。
対象となる薬は、抗がん剤、心疾患や糖尿病の治療薬、向精神薬などの他、発売間もない新薬。これらの薬は長期間の服用が原則。保険薬局の薬剤師が渡すたびに患者から自覚症状を、同病院薬剤部(古川裕之教授)が独自に開発した30項目のチェックシートを示しながら聞き取る。
30項目は、皮膚、尿、手足、おなか、全身など症状が出やすい8分野に分類。「かゆい」「尿が赤い」「手足が震える」「吐き気がある」「体がだるい」など、簡単なキーワードにしてあるのが特徴で、薬剤師による聞き取りのばらつきをなくすのに効果があるという。
保険薬局は、ファクスで同病院薬剤部にシートを送信。同薬剤部は主治医に知らせる他、データを一元的に蓄積・管理して3カ月ごとに評価し、厚生労働省や製薬会社にフィードバックする。シートには、他の医療機関から処方されている併用薬も記す。症状が必ずしも対象薬によるものでない場合もあるが、副作用の可能性を初期の段階で見落とさないで済むメリットがある。
同システムを担当する伊藤回生堂回生堂薬局(南小串2丁目)の薬剤師、清水忠司さんは「大学病院と保険薬局、保険薬局間で情報を共有する画期的なシステム。患者さんは、薬に関して気軽に相談してほしい」と話す。
新薬承認が海外より遅れるドラッグ・ラグ解消が近年、図られる流れにあるが、安全性のチェックと副作用情報提供の在り方が問われている。
製薬会社は、認可・販売後、定期的な医療機関への訪問などによる副作用の調査を課せられているが、多忙な医師と面会するのは困難なのが実情。同システムでは、同病院薬剤部が一括して情報を把握しており、効率的、体系的に情報を得られるため製薬会社にとっても利点が大きい。

カテゴリー:その他の話題2011年6月8日

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