グリーン・ツーリズム、楠地域の可能性探る

再生された茶園を見て回る会員たち(森の駅くすのきで) 楠地域でのグリーン・ツーリズムの可能性を探ろうと、農業振興ビジョンを推進する会(下井洋美会長、50人)は23日、宇部市万倉東二ノ瀬の「森の駅くすのき」や東吉部の「水尻川農園」などを訪れ、取り組みの現状を確認した。

 推進する会は、2004年から活動してきた住民有志の組織「楠の農業と温泉を考える会」を前身として昨年12月、規約や役員を定めて発足。研修視察は初めて。会員16人が参加した。
 森の駅くすのきは約25㌶。NPO法人・学生耕作隊(齊藤祐子理事長、宇部市西岐波)が荒廃した茶園と野山の再生を目指し、07年夏から順次、整備を進めてきた。茶園は現在4カ所で計1㌶。ブルーベリーは約30種1500本で、いずれも無農薬で栽培している。
 管理人の三田村諭さん(29)は「加工、販売を含めた6次産業化を目指している。『農業はもうからない』と言われてきたが、若者が引き継いでいける道筋を付けられる場所にしたい」と意欲。会員らは再生された茶園や建設中の農産物加工所、ソーラーパネルなどを見て回った。
 水尻川農園は、岡山(420㍍)の山裾に広がる棚田。地域の高齢化で耕作放棄地が増えたため、「農地の保全に」と中山間等直接支払制度を一部活用して00年に開設。街中に住む人たちに農作業を体験してもらう体験農園を含めて約5㌶を管理している。民家を開放し、そば打ち体験も行っている。
 農園を運営している中井良一さん(59)は「都会の人は研究心が旺盛。いろんな人が農作業を手伝い、参加した人が生産した米を買ってくれる」と交流の広がりを意識。運営には「隣近所と仲良く付き合うことが大切」と助言した。
 昼食は、新鮮な野菜や加工品などを扱っている東吉部の「おいでませ吉部」(光永松太郎代表)で、そばを味わった。
 農業振興ビジョンは「楠・食感宣言」を基本コンセプトに「ブランド農業の確立や温泉開発で地域経済が自立できるようなシステムを構築しよう」と旧楠町時代に策定された。グリーン・ツーリズムは地区別整備方針(吉部地区)に盛り込まれている。
 考える会として計画当初から携わってきた交流施設「楠こもれびの郷(さと)」が09年8月にオープンし、運営も順調なことから、今回の組織強化と視察の実施につながった。
 楠地域では、ほかに万倉矢矯で里山づくりも進行しており、グリーン・ツーリズムの舞台となる資源は豊富。推進する会の田村敦義副会長は「農作業体験や里山体験、自然観察など、さまざまなバリエーションは考えられるが、要は引き受け手が確保できるかどうか」と、人材を最も重視している。

カテゴリー:その他の話題2011年2月24日

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