学術発展を後世へ託す 渡辺剛二さんの遺言公正証書発見

発見された故・渡辺剛二さんの遺言公正証書 宇部興産初代会長で、医師でもあった故・渡辺剛二さん(一八八六―一九五九年)の遺言公正証書がこのほど、島の渡辺家で見つかった。証書には、私財を活用し、国内の学術文化の発展に向け、研究者を助成する財団法人を設立するよう記されている。昨年、五十周年の節目を迎えた宇部興産学術振興財団は、剛二さんの遺志により発足したことで知られているが、それをはっきりと裏付ける貴重な証書の存在が、半世紀の時を経て、明らかになった。

剛二さんは、宇部発展の礎を築いた故・渡辺祐策さんの二男。同社会長を務めたほか、医師として沖ノ山炭鉱医局、沖ノ山同仁病院の開設に携わり、県立医学専門学校(現・山口大医学部)の開校にも尽力。地域医療の発展に大きな役割を果たした。
証書は、剛二さんが亡くなる十一日前の五九年六月三十日付。遺贈する宇部興産の株式二十九万株と現金百万円で、財団を設立することを望む剛二さんの遺言の趣旨が記されており、証人として同社元社長の故・中安閑一さんと弁護士が立ち会っている。
剛二さんの遺志を継ぎ、財団は五九年十月に渡辺記念学術奨励会として誕生。九七年の同社創業百周年を機に、名称を変更し、役員構成なども改め、現在の体制となった。
証書は、剛二さんの孫に当たる裕志さん(宇部興産機械常務)が、昨年十二月に亡くなった父の故・浩策さんの遺品を整理していた際に発見。祐策さんが抱いた「共存同栄」の理念を継承し、私財を投じて科学分野振興を願った剛二さんの熱き思いが分かる史料でもあり、三日に宇部全日空ホテルで行われた同財団の二〇〇九年度学術奨励賞贈呈式終了後の交流会で、出席者に披露された。
裕志さんは「財団設立の経緯などを知ってもらう、いい機会でもあったので、今回紹介させてもらった。今後は財団事務局に預けたい」と話した。

カテゴリー:その他の話題2010年6月4日

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