東岐波里海再生の会、アサリの浜 復活を 稚貝4万個

干潟に稚貝を放流する中学生ら(東岐波岐波で) アサリの浜の復活に願いを込めて、東岐波里海再生の会(寿恵村泰生会長)は29日、宇部市東岐波岐波の干潟に稚貝約4万個(200㌔)を放流した。取り組みは3年目。昨年放流した場所では、稚貝が繁殖している可能性が高いことも確認した。

作業は小雨が降りしきる中で、東岐波中ソフトテニス部の1、2年生8人を含む18人が参加。県漁協東岐波支店の高井鉄夫運営委員長、アサリの研究と生産を手掛けている元田布施漁協組合長の木下嗣生さん(田布施町)がアドバイザーを務めた。
アサリの稚貝は殻長10㍉前後。島根県松江市から取り寄せた。沖合約200㍍の場所を選び、稚貝が酸素を十分取り込めるように、三つぐわで干潟を軽く耕して準備。均一に稚貝をまき、天敵から守るために保護用の4㍍四方のネット5面を上から張って、鉄ぐいで隅をしっかりと固定した。
昨年放流した場所では、木下さんが産卵を控えた数個のアサリを確認。「今から秋の卵を産むはず」と放流事業が成果を上げていることを示唆し、保護用ネットはそのままにした。
同所では、アオサなどが覆って酸欠状態にならないように、冬場の12月から3月にかけて2、3日置きに保護用ネットの清掃活動を実施してきた。その努力のかいもあって、7月には推定40㌔のアサリが収穫できたという。
瀬戸内海の県内アサリ生産量は、1955年ごろから急激に増加。潜水器漁業の普及で83年にピークに達した。しかし、その後は急速に減少し、漁獲の全くない漁場も増えてきた。
東岐波も同様で、90年までは30軒のアサリ漁を営む漁家があった。83年ごろには年間十数㌧の稚貝をまいて、シーズン中は1日1軒当たり約360㌔の漁獲量を誇っていた。
アサリが激減したのは、餌料と考えられている植物プランクトンの増殖を支える栄養塩類の減少、海水温の上昇に伴う食害生物の増加など、さまざまな要因が挙げられている。
再生の会は「古里の海の現状を学び、さまざまな生き物がいる環境を取り戻そう」と活動。海に注ぐ河川の浄化にも取り組んでいる。
前日の28日には東岐波小の児童と一緒に、県管理の2級河川・五反田川(流路延長約2200㍍)の上流へ、藻場を再生するのに効果があるとされる無有産研究所(杉本幹生代表)考案の「鉄炭団子」約150㌔を設置した。
寿恵村会長は「アサリの放流事業は注目され、県も応援してくれるようになった。良い結果が出せるように、これから冬場の維持管理の方法もしっかりと考えていきたい」と話した。

カテゴリー:地域2011年10月31日

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