3月1日から「おひなさまめぐり」

ひな人形作りに励む笹木さん(厚狭1丁目の自宅で) 第13回「厚狭寝太郎の里おひなさまめぐり」が、3月1日から13日までJR厚狭駅周辺の厚狭商店街で開かれる。昨夏の厚狭川の氾濫で水没し、大きな被害を受けた地域だが、にぎわいの灯を消すまいと、約50店舗がカラフルな飾りを並べる。家が解かれ、空き地も目立つ商店街で、復興への思いを聞いた。

 50年以上、夫婦で自転車店を営む笹木好江さん(72)=厚狭1丁目=は今回、おひなさまめぐりに参加するかどうか迷った。
 水害時には床上38㌢まで水が上がり、多くの家財道具が駄目になった。親戚が駆け付け、片付けを手伝ってくれたが、拭いても拭いても泥が浮き出てきた。1階にしまっておいた、ひな飾り用の特設台は、水に漬かって傷んだ。後片付けや心労で体が悲鳴を上げ、今も病院に通っている。
 それでも、周囲には独り暮らしのお年寄りが多く、自分たち以上に苦労を強いられている。暗いムードの商店街を少しでも華やいだ気分に、と出店を決めた。
 多くの店が既製のひな飾りを並べる中で、笹木さんは得意の手芸の腕を発揮して、布切れを材料に、手縫いでひな飾りを作っている。スポンジをあんこにして布をかぶせた押し絵のひな人形も出品している。
 「新幹線が開通した時に山陽商工会議所の呼び掛けで始まったイベントだが、わが家には男の子2人で、ひな飾りがなかったため、最初から手作りしていた。若いころから和裁や洋裁が好きで、手を動かしていたが、子育ての時には、やれなかった。好きな手芸を再開できる良い機会だった」と振り返る。
 これまで作ってきたひな飾りを出品するほか、毎年、本番の2カ月前から新作を手掛ける。時間を見つけては布を裁断し、こてでのばし、一針一針縫い合わせている。壊れたひな台は夫が修繕してくれた。
 13回目を迎え、定着したイベントには「娘も大きくなったし、家で眠っているひな飾りが日の目を見るなら」と、寄贈を申し出る人が後を絶たない。期間中、その飾りを見に来る人たちに、あちこちで出会うという。
 笹木さんは「大勢の人が見に来てくれて、厚狭の町がにぎわい、少しずつでも元通りの生活に戻れたら」と祈っている。

カテゴリー:地域2011年2月25日

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