米寿記念し竹細工で88匹のカマキリ
竹に命を吹き込み、本物にそっくりな昆虫を作り続けている元阿知須中校長の山本幹雄さん(88)=山口市中園町=が、米寿の記念に88匹のカマキリの竹細工を制作した。14日に開かれる県退職校長会の総会で作品の一部を展示する。
山本さんが定年退職後独学で始めた竹細工。日用品をはじめ、昆虫作品も制作していたが、より本物に忠実な表現を追求するきっかけがカマキリだった。約20年前の夏と秋に、作品のモデルを申し出るかのように自宅の作業場に現れた。秋の弱り切ったカマキリを見て、生き生きとした姿に変えて残そうと観察しながら作ったという。
今ではアメンボやトンボ、チョウなどさまざまな生き物の竹細工を制作しているが、最も得意とするのがカマキリで、多くの人から人気を集めていることから米寿制作の題材に決めた。88匹のカマキリは、2年前から少しずつ作り始め、3月の誕生日に最後の1匹を仕上げた。
作品には、古民家の屋根裏で長い年月いろりの煙でいぶされたすす竹を使う。煙の当たり具合による色の濃淡が作品の味わいを深め、長年磨いた技術によって生き物の「静」と「動」を巧みに表現する。
山本さんは、一日の大半を制作に充てているといい、「目標や目的を持って作品作りを進め、成し遂げた時の喜びはとても大きい」と笑顔で話す。「打ち込めるものがあるのは幸せ。自分自身が納得できるまで制作を続けていきたい」と話した。
山本さんの昆虫作品は、山口井筒屋(中市町)で開催中の合同作品展「暮らしの彩りに竹-そして徳地の郷だより」で展示販売されている。10日まで。
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カテゴリー:地域2018年7月7日