漫画家の樹本さん、小野に漫画工房

地元漫画家の樹本ふみきよさん(65)が、宇部市小野美保に古民家を借り、「漫画工房・樹本村塾小野グループ」として活動を始めた。プロの漫画家・イラストレーター志望の20~30歳代の男女7人が共同生活し、創作活動に加えて農作業をしたり、集落の行事に参加したりして地域に溶け込みながら、夢の実現を目指していく。

ゴルフレッスンの漫画などで知られる樹本さんは、ここ8年間は後進の育成に注力。北琴芝の自宅兼アトリエでプロ養成漫画塾を開き、これまでに20人以上を指導してきた。その中で実力のある数人を選抜し、2016年に周南市大道理に古民家を借りて、樹本村塾の第1号を開設。メンバーたちは共同生活を始めて3年がたち、デジタル原稿を出版社とやりとりして生計が立てられるようになってきたことから、地元宇部にも弟子の精鋭を集めた活動拠点を構えた。

小野や大道理を選んだのは、共同生活できる広い家が安く借りられ、畑をつくって食費を浮かすことができるのに加えて、地域の人たちが温かく迎え入れて応援してくれる点にある。「才能があっても、家賃や生活費を稼ぐためにアルバイトに追われて、漫画を描く十分な時間が取れずに夢をしぼませていった子を何人も見てきた。都市部より田舎の方が漫画家の卵たちには暮らしやすく、共同生活で励まし合えるのもいい」と樹本さん。

小野に借りた築100年ほどの古民家には、宇部出身者を中心とする男性4人が住む。女性3人が暮らす家は近所で交渉中。近くに借りた畑にはタマネギの苗3万本を植え、これから田んぼや他の野菜も作っていく予定。

4日に引っ越した山本貴晶さん(21)は、宇部フロンティア大付属香川高を卒業後、樹本さんの塾に入って3年になる。「今までは上宇部にアパートを借りていたが家賃が高く、アルバイトをしながら夢を追い掛けるのはきつかった。これからは仲間と割り勘で数千円の家賃で済み、漫画に集中できる。ここで仲間と切磋琢磨(せっさたくま)し、アクションものを描く力を付けながら、コンテストや出版社への応募を続けてチャンスをつかみたい」と意欲を語る。

樹本さんは「デジタル社会の今は、地方にいても漫画家として十分活躍できる時代。小野に腰を据えて、住民との交流や体験を糧としながら成長していってほしい」と願っている。

カテゴリー:地域2019年2月5日

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