大和吉孝松緑窯の大和さん、県指定無形文化財保持者へ

モミジとも呼ばれる御本(ごほん)など釉(ゆう)景色で魅せる萩焼らしさにこだわった陶芸に心血を注ぐ。作陶歴50年。大和吉孝松緑窯の大和祐二さん(71)=山口市宮野上=は、県指定無形文化財保持者への事実上の内定に、「光栄なこと。萩焼の伝統をしっかり守っていきたい」と決意を語った。

松緑焼(宮野焼)を興して山口萩焼の礎を築いた大和作太郎(1855~1921年)のひ孫に当たる。大学卒業後に父の誠(二代目大和吉孝)さんの下で、伝統的な工芸技術を体得。8年前に亡くなった兄の勝さんと二人三脚で窯を守ってきた。

ろくろさばきが生み出す器の立ち上げ技術や、素地土など萩焼の伝統素材の取り扱いに熟達。在来の製陶工程を堅持しつつ、造形的洗練を追求しており、赤と黒のコントラストで魅せる独創的な大皿や大鉢でも知られる。

日本伝統工芸展に19回入選しているほか、日本陶芸展や田部美術館(島根県松江市)茶の湯造形展での入選、萩の陶芸家たち展優秀賞など受賞多数。2008年に県選奨を受賞。16年からは日本伝統工芸会山口支部の常任幹事を務め、伝統工芸の発展に寄与している。

「御本を大事に、萩焼のにおいのするものにこだわってきた。より完成度の高い作品を目指したい」と創作への熱い思いを語る。今後、井戸茶わんに挑戦したいという。「奥が深い。兄は井戸茶わんしか作らない人だった。私ものめり込みそう」と苦笑する。

萩焼の未来について「いい作品を作ることに尽きる」と言い切る。「伝統は守るだけのものではなく、その時代に適合していくことも課題だと思う」とも語る。

山口市内からの認定は2002年に認定を受けた鷺流狂言の米本文明さん(63)以来16年ぶり。萩焼は5人の保持者がおり、山口萩焼では大和保男さん(85)以来30年ぶりの認定となる。

カテゴリー:教育・文化,地域2018年8月10日

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