傷病クロツラヘラサギ用のゲージが完成

絶滅危惧種の渡り鳥、クロツラヘラサギの越冬地として知られる山口市阿知須のきらら浜自然観察公園(原田量介園長)で、全国の傷病クロツラヘラサギの保護・リハビリを行うケージが完成間近だ。国内初の取り組みで、今月末には使用可能となり傷病鳥の受け入れ態勢が整う。

干潟北側に設置されたケージは幅20×16㍍、高さ3㍍。NPO法人野鳥やまぐちが中心となり、民間財団の補助金を充てて完成させた。総事業費は約500万円。

潮の干満に合わせてケージ内に海水が出入りし、ほぼ自然と同じ環境で魚を捕食することができる。傷の経過をみて干潟に放し、約8㌶の〝自然の運動場〟の中で野生復帰に向けてリハビリを行う。

環境省のレッドリストで絶滅危惧まきB類に指定されるクロツラヘラサギは、東アジアにのみ生息するトキ科の水鳥で、しゃもじのような黒いくちばしが特徴。国内では約95%が山口県と九州に分布し、10月下旬ごろに飛来し始める。

日本野鳥の会の統計によると、近年の保護活動が奏功して個体数は増加している。昨シーズンは国内に508羽、そのうち山口湾には過去最多の31羽が飛来。越冬個体の増加に伴い、防鳥ネットや釣り糸などに絡まってけがをする個体の増加が問題視されている。

けがを負ったクロツラヘラサギを園内で保護することで年間を通じて観察が可能となり、希少な鳥類や環境の保全、共生の様子を国内外にアピールできる。さらに保護されたクロツラヘラサギが園内に複数いることで、繁殖活動を始める可能性があり、国内で初となる野外繁殖にも期待が膨らむ。

安定した生息地になれば、ズグロカモメやカブトガニなどの希少種の重要生息地として山口湾をラムサール条約の登録湿地にエントリーすることも可能となる。原田園長は「学校教育や環境教育の場としての利用や地域の自然や文化を発信する地域おこしの拠点として活用することもできる」と期待を寄せた。

カテゴリー:地域2018年9月14日

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