シカの行動範囲、宇部市の南部に広がる

宇部市の北部に生息するシカの行動域が、南部の西岐波片倉地区にまで広がっている。4月には1頭がわなで捕獲され、9月には乗用車とぶつかる事故が起きた。▽有害鳥獣だが被害報告が無い▽事故は物損として処理▽通報義務がない─などから詳細は不明だが、各関係機関や専門家の話をまとめると、市内ではここ数年間で行動範囲が確実に拡大しており、霜降山では現在も目撃情報が続いている。若い雄の単独行動とみられ、クマやイノシシのように人を襲う危険性は極めて低いが、体が大きいだけに注意が必要という。
出没しているのは、ニホンジカ(ホンシュウジカ)で、成獣の体重、全高は雌で30㌔、1・0㍍、雄だと100㌔、1・8㍍になる。県自然保護課などによると、県内では下関北部から長門市西部にかけての山中を中心に3000~4000頭が生息。美祢市―宇部市北部にも少数の個体がいる。県レッドデータブックは「絶滅のおそれ」と指摘も、野菜類を食べることから有害鳥獣に指定されている。
生息域には該当しない西岐波地区は、生態調査の対象外。クマと異なり目撃例の通報義務はなく、わなで捕獲しても農林業への被害が無いため、関係機関の情報の交換・共有が行われない中、市民には予想外 の場所で事故は起きた。
市農林振興課によると、市内では5年前から霜降山以北での目撃例が増加傾向。被害届や駆除要望はないが、予防策として今年度から1頭6000円の捕獲奨励金を設定したという。4~9月の実績は10頭で、1頭が西岐波、残りは小野と吉部。「西岐波は想定外で、事故も初耳。正直驚いた。行動域の拡大・南下は間違いないだろう」と話す。
この他、山口市阿知須地区でも目撃例があるが、管轄する山口南警察署や山口市農林政策課は、いずれも情報を含めて認知していない。
県立博物館の田中浩・動物担当学芸員は「生息域では頻繁に衝突事故が起きているが、宇部市の南部エリアでは聞いたことがなく、住民への周知が必要では。生息域を出るのは若い雄。雌を探し回るためで、繁殖期の9~11月は特に活発になる。行動域は全県的に拡大する傾向にあり、今後も確実に広がるだろう。また、雌や子ジカが見つかれば生息域の拡大であり、一気に個体数が増える」と話している。

カテゴリー:地域,その他の話題2013年11月12日

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