「徳利窯」など未来技術遺産に

旧小野田セメント(現太平洋セメント)の徳利窯とセメント製造用蒸気機関が12日、国立科学博物館の「未来技術遺産」(重要科学技術史資料)に登録された。小野田地区の近代化に大きく貢献した古里の産業遺産が「国民生活の発展、新たな生活様式の創出に顕著な役割を果たしたもの」という登録基準の下、未来に引き継ぐべき遺産として認められた。

同博物館は科学技術を担ってきた先人の経験を次世代に継承していくことを目的に2008年度から登録制度を実施。今回の登録は15件で、計240件となった。県内ではこれまで下関三井化学の「クロード法によるアンモニア国産化史料」だけだった。

徳利窯は、笠井順八が国内最初の民間セメント会社として1881(明治14)年に小野田セメントを創業した当初から使用されていた。国内に現存する唯一のセメント焼成用竪窯で、2004年には国の重要文化財に指定された。

増設された竪窯の設計図などの書類や写真も多く残されており、西日本における土木建設事業の近代化を支えたセメント製造の中心的施設で、明治初期に日本に導入されたセメント技術を示す資料として重要だと判断された。

セメント製造用蒸気機関は、徳利窯で焼成した塊を粉砕してセメントにする機械の動力に使用。近代産業化を進めた国産蒸気機関の初期設備で、設備概要図の書類などが残され、現存する最初期の国産工場用蒸気機関として重要とされた。

徳利窯の所在地は太平洋セメントの関連会社となる太平洋マテリアル小野田工場内で、同蒸気機関も徳利窯前に展示されている。同工場入り口には見学者用の駐車場が設けてあり、規定時間内には専用通路を通って見学できる。

太平洋セメントの中村誠一小野田地区統括理事は「小野田セメントの発展だけでなく、近代セメント製造技術の向上や小野田地区の繁栄、礎を築いた設備でもある。未来技術遺産としての評価を大変ありがたく感じている」と話した。

カテゴリー:教育・文化,地域2017年9月13日

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