「埴生芝居」が復活から10年の節目

埴生芝居保存会(千々松武博会長)の「埴生芝居」が今夏、復活から10年の節目を迎える。近年は女性会員が演じる「女歌舞伎」のユニークな公演スタイルが注目を集める中、28日に迫った「埴生ぎおんふるさと祭り」に向けて、熱心な稽古が続いている。

約250年前に発生した大火災の後、住民が埴生祇園社に奉納したのが起源とされる。2008年に地元有志が四半世紀ぶりに復活させ、翌年から保存会が歌舞伎を参考に手掛けている。

メンバーは市内と下関市に住む50~80歳代の11人で、練習は埴生公民館で月2回。旧埴生芝居の役者だった千々松会長(71)が、独特のせりふや立ち振る舞いを指導している。女性会員が主力になったのは、復活時に女神が登場する古事記「よみの国」の練習を企画したためという。

今回の演目は能の「安宅(あたか)」を基にした同会のおはこ「勧進帳」。弁慶役の大場美保さん(50)、関守役の三戸安代さん(70)が堂々とした物言いで掛け合う「山伏問答」が最大の見せ場となる。上演中は随所で物語を解説し、誰でも楽しめるようにしている。

ベテランぞろいとあって、稽古はスムーズに進行する。6月から立ち稽古に移り、立ち位置や入退場の仕方などを再確認している。

8年目の大場さんは「力強く踏みしめながら歩く飛び六方による幕引きにこだわっている。ぜひ見てもらいたい。多くの人に古里の芸能を楽しんでもらいたい」と話している。

1957年に県の無形文化財に指定されたが、後継者と資金不足により、復活と衰退を繰り返した過去がある。千々松会長は「担い手が減少し、10年間で舞台音楽の演奏者、中・高生の役者がいなくなった。なんとか若い世代に引き継ぎたい」と願い、「子ども時代に見た埴生芝居のにぎわいが懐かしい」と振り返った。

公演は、午後7時40分ごろから糸根神社で行われる。戦前から伝わる衣装などをまとい、舞台に立つ。前座では、埴生幼稚園児たちが歌舞伎を取り入れた踊り「いざやカブかん」を披露する。

カテゴリー:教育・文化,地域2018年7月11日

山口ゆめ回廊
石炭都市宇部市の起源
写真注文はこちら
無料試読キャンペーン
宇部日報購読案内
サンデージョブ
サンデーうべ
サンデーワイド
サンデートレンド
Sundayうべ・おのだ
Sunday西京
サンデーネットワーク
全国郷土紙連合
新聞協会
選挙権を持つ君へ
アーカイブ
アーカイブ
single