ルネサス山口工場、離職者のうち再就職は半数以下

合理化に伴いルネサスセミコンダクタ九州・山口の山口工場を昨年10月末に離職した592人のうち、半年間が経過した4月末時点で再就職した人は半分に満たない263人(44・4%)にとどまっている。3月末には協力会社のウラベ電子デバイス事業部(宇部市瀬戸原団地)が工場を閉鎖し140人の従業員が解雇されるなど〝ルネサス・ショック〟は地域経済に暗い影を落としている。

経営再建の一環としてルネサスエレクトロニクスのグループ企業が昨年9月に希望退職者を募り、山口工場では10月末付で従業員1243人のうち711人が応じた。このうちの119人は同社に再雇用されたが、592人が新しい職場への再就職を目指してきた。
山口労働局職業安定部によると4月末時点で再就職したのは263人。新しい就労地の内訳は宇部市112人、山口市35人、下関市33人、山陽小野田市32人が上位を占める。業種別では技能系95人、事務系72人、専門の資格などを必要とする技術系27人など。年代別では再就職を希望する30歳代232人のうち新しい会社が決まったのは104人(44・8%)、40歳代290人のうち再就職したのは129人(44・5%)と年代による大きな格差はない。
昨年5月末に工場閉鎖した光市にある半導体関連メーカー「シルトロニック・ジャパン光工場」は、解雇された約500人のうち閉鎖直後に約20%が再就職。半年時点で70%弱、ほぼ1年が経過した現在は未就職者は40人程度で、95%以上が新しい職場で働いている。
山口労働局の三浦厚人求職者支援室長補佐は「シルトロニックの場合は閉鎖の3、4カ月前から仕事がほとんどなく会社が従業員の就職活動に理解を示していた。ルネサスは合理化発表、希望退職募集が矢継ぎ早で、しかも10月末まで通常通り稼働していたので就活の余裕がなく、スタートが遅かったことが考えられる」とした。
また、来春の採用枠が新卒者らで既に埋まる11月時点は新たな求人が少なく、もともと給与水準が地場企業の中でも高かったルネサスと比べて待遇が劣る中小企業などへの再就職がスムーズに進まなかった面もある。就職説明会などでたびたび給与や業種の条件緩和が呼び掛けられるが、あるハローワーク職員は「陸上競技ではないがハードルを下げないと前には進めない」と話した。
山口労働局、県、宇部市、山陽小野田市などではルネサス離職者だけが対象ではないが再就職を進めるために臨時を含めた就職面接会をたびたび共催。23日も宇部市の国際ホテル宇部で第1回やまぐち地域就職説明会を予定している。新しい技能を身に付け職域を拡大するための職業訓練校も紹介し、現在30人が学んでいる。
一方、協力会社にも大きな影響が出ている。ルネサス山口工場の後工程で製造された製品の検品を一手に引き受けていたウラベ電子デバイス事業部が3月末に工場を閉鎖し、全従業員140人が解雇された。1988年に操業し最盛期の十数年前は従業員300人を抱えていたが、前身のNEC山口の仕事が縮小するのに合わせて従業員も減っていた。
合理化発表後、当初は今年12月までは取引の継続をルネサス側から打診されていたがウラベ本社(広島県福山市)は「仕事量が減る傾向にある中で人員確保を頼まれても経営を圧迫する。契約が満了する3月末時点で更新することなく閉鎖することにした」と説明し、工場の売却先を探している。
ルネサスセミコンダクタ九州・山口では、合理化を発表した昨夏、山口工場については半導体を回路を製造する「前工程」を1年以内に売却、組み立てを行う「後工程」を今年度下期に閉鎖するとしていた。現在、合わせて約620人が就業しており、タイムリミットが迫る中、今後の雇用情勢は予断を許さない。

カテゴリー:経済2013年5月22日

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