阿知須特産「寒漬け」復活目指す

ローラーでなめす作業をする長尾さん親子(山口市阿知須で)

山口市阿知須特産の寒漬けをもう一度全国へ―。4年前に途絶えた味を復活させようと、河内地区の長尾進さん(72)が奮闘している。昨年からは息子の誠大さん(36)も加わった。過去2回の試行錯誤で、ダイコンの寒干しまでは再現。今年は味付けにも挑む。

2010年以前は、南祝地区の中尾元治漬物店が市販品のほとんどを生産していた。寒干しは冬の風物詩で、しょうゆと砂糖などの液汁に漬けた製品は、道の駅きららあじすや首都圏でも人気だった。この年に店主が病気で亡くなり、後継ぎが不在で閉店。長年親しまれた味は途絶えた。
進さんが遺族から機械を受け継いだが、ノウハウは亡くなった店主しか知らず手探りでのスタート。庭先にブロックで3㍍四方の「たくあんつぼ」を製作。初めの年は自家製のダイコンを約2㌧漬けた。
敷き詰めては塩を入れを繰り返して何層も重ね、重りの石を載せ、水分を抜いた。田んぼに竹のさおを並べて寒風にさらし、白いダイコンのすだれが復活した。
約1カ月干す間にローラーで何度かなめし、さらに約2カ月間陰干しして発酵させた。出来上がった寒干しダイコンを約30㌢の大きさに切って袋詰めして、地元の店に並べると待ちわびた人が買い求めて完売。手応えを感じた。
「特産品を消してはいけない」との思いが強まり、翌年も挑戦したが、畑の土質が安定せず、ダイコンの大きさがまばらで形も悪かった。寒干しまでしたが「商品として恥ずかしい」と売るのをやめた。
昨年は3回目の挑戦。土質を改良したところ豊作で約10㌧を収穫した。たくあんつぼは、コンクリート張りにして約4倍の大きさに造り替えた。重りも機械でつりやすい形に変えた。
新聞記者を辞めて、北海道から戻った誠大さんと12月5日に漬け込み、23日から寒干しを始めた。この冬は天候に恵まれて順調に水分が抜けている。
誠大さんは「中尾さんの店の寒漬けは小学生の給食でも出た思い出の味。自分の子供にも食べさせたい」と話す。
寒漬けの味付けは各家庭で異なる。今年、親子は、中尾元治漬物店の元関係者の力を借り、液汁の研究に取り組む予定だ。進さんは「3年後をめどにあの味を復活させてパッケージした製品を売り出せたら」と話した。

カテゴリー:経済2013年1月11日

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