エスビーシー、ワープロ修理 依頼続々

修理を待つたくさんのワープロ(東岐波で) 今や時代遅れと思われがちなワープロ。既に2001年に製造が終わり、メーカーの補修部品も尽きた。それでも愛着を持って使い続ける中高年者が多く、宇部市東岐波のエスビーシー(原田幸昌社長)には国内外から故障品の修理依頼が舞い込む。客からの手紙には特別な思いがつづられている。

同社はワープロ修理業者として知られ、年間の依頼は1500件以上。毎日宅配便で国内外からワープロが入った段ボールが届く。
山積みされた数百台の修理待ちのワープロには、画面表示が白黒のわずか2行だったり、プリンターと分離した大きなブラウン管タイプだったり、30年以上前に製造された品も見られる。
一般的に家電製品は故障すると基盤などの故障部分を丸ごと交換する。同社は11メーカー1000機種を扱っており、パーツがない方が多く、故障したコンデンサーやトランジスタなど1個ずつをハンダごてを使って取り換えたり、現行品のパソコンやプリンターから取り出した部品を削って自作する。それでも部品が見つからず、2年も根気強く待つ客もいる。
文書作成ならパソコンでワープロソフトを使えば、字体が豊富で編集もしやすいはず。同社の修理費用は一般的に2万~5万円で、安いパソコンなら買えてしまうが、修理依頼は途切れない。原田社長は「勤め人のころからワープロを使い続けた人は、慣れた機械を手放せないのです」と話す。
同社に届いたお礼の手紙には「諦めていたが、これで5年長生きできる」や「自分も生まれ変わったみたい」「直って届いた時は思わず『お帰りなさい』と言ってしまった」など、特別な思いがしたためられている。まるでワープロが家族や親友のようだ。
日本語ワープロを開発した元技術者の大学教授からは「ワープロ愛好者のために頑張って」と便りが届いた。
原田社長は「お礼を言ってもらえた時が技術者をやっていて一番うれしい。意地で直します」と笑顔を見せた。
今、原田社長には一つ気掛かりなことがある。東日本大震災前に依頼があった宮城県気仙沼市の客と連絡が取れなくなっている。修理は完了しており、いつでも出荷できるように梱包(こんぽう)したワープロを前に「持ち主が元気でいてくれて、以前のように使ってほしい」と話した。

カテゴリー:経済2011年7月7日

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