幻のノリ、刈り取り始まる

絶滅の危機にあり〝幻のノリ〟と呼ばれるカイガラアマノリを養殖している県漁協藤曲浦支店(中村昭一運営委員長)の組合員6人が31日、宇部市厚南妻崎開作の厚東川河口で今シーズン初めての刈り取りを行った。ノリは20㌢以上に伸びており、組合員は専用の機械でプレートごとにノリを刈っていった。

カイガラアマノリは環境省のレッドデータブックで、極めて絶滅の危険性が高い「絶滅危惧まき類」に分類されている藻類。1950年代ごろまでは全国の干潟で見られたが、埋め立てによる干潟の減少で現在、天然で確認されているのは山口県(山口湾)、広島県、千葉県だけ。
一般的なノリよりもアミノ酸の一種、アラニンを2倍以上多く含み、甘味が強いのが特徴。県水産研究センターが2006年に養殖技術を全国に先駆けて開発し、08年から山口湾で養殖を試みて製品化に成功。「紅きらら」の名称で、一般的なノリの価格の10倍に当たる12㌘1000円で販売されている。
藤曲浦支店では商品価値の高いこのノリを復活させようと昨シーズンから養殖に取り組んでいる。昨年は製品にして20㌔を生産したが、今シーズンはその3倍の生産量を目標に昨年12月上旬にノリの種になる糸状体を混ぜた炭酸カルシウムを張り付けた養殖用プレート(30×60㌢)1000枚を川底に設置した。
今シーズンの初収穫となるこの日は藤曲浦支店の組合員のほか県水産研究センター職員らが参加し、流れ作業で川底のプレートを引き上げ、川の水ですすぎ、専用の機械でノリを刈っていった。
現場責任者の縄田百合夫さんは「昨年の反省を踏まえ、アオノリが付かないようにプレートを設置する時期を工夫したり、プレートに砂泥が積もって成長を阻害しないように頻繁に砂泥を取り除いたりした。天候にも恵まれ、昨年より収量が大幅に増えそうだ」と話した。
刈り取りは3月までに3回を予定。3月には製品が地元を中心に出回る。

カテゴリー:経済2014年2月1日

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