宇部興産の次期社長に泉原さん
宇部興産は7日、取締役専務執行役員の泉原雅人さん(58)が4月1日付で社長に就任すると発表した。山本謙社長(65)は代表権のある会長に就く。
第13代社長となる泉原さんは下関市出身。東京大法学部卒。1983年、同社に入社。主に経営企画・管理部門に携わり、米国の子会社にも出向経験がある。2013年から常務執行役員グループCFOならびに経営管理室長、15年からは化学カンパニーバイスプレジデントを務め、18年に専務執行役員化学カンパニープレジデントとなり、化学部門の復活を掲げた山本社長を支えてきた。社長就任後も化学カンパニープレジデントは兼任する。
機械部門出身の山本社長は15年4月、同社トップに就き、17年度には化学部門の営業利益200億円という目標を達成。16年度からの中期経営計画で掲げた化学部門の業績回復に対して、一定の成果を残した。昨年2月の品質管理における不適切行為の問題でも、品質保証体制の再構築、再発防止策の策定などに取り組んできた。
東京都港区の東京プリンスホテルで行われた会見で、山本社長は「4月から始まる新しい中期経営計画は、2025年のありたい姿を目指す最初の3年間の計画。新たなリーダーによって長期的な視野で取り組むほうがよいと判断し、交代を決断した」と述べた。
泉原さんについては、海外赴任経験もあって経営企画部門が長いのは大きな強みで、現在も化学部門のかじ取りをしっかり果たしており、新社長にふさわしい人材とし、「新社長をサポートしながら、UBEグループのさらなる成長に向けて取り組みたい」と語った。
泉原さんは「社長の重責を担うということで、身の引き締まる思い。昨年末に正式に話があった。山本社長からはいずれはトップになる心構えをと、それとなくほのめかされていたので、腹をくくって引き受けることにした」と述べた。
今後の方向性については、「自分の役割は全体に目配せしながら、特に化学部門の成長を推進すること。今は化学部門が会社の成長をけん引する時期であり、ポテンシャルをまだまだ秘めていると思っている。皆さまの期待に応えられるように尽力したい」と意欲を見せた。
代表取締役の異動は次の通り。(敬称略)
▽代表取締役社長(取締役専務執行役員)泉原雅人▽代表取締役会長(代表取締役社長)山本謙▽取締役(代表取締役専務執行役員)松波正
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カテゴリー:経済2019年2月8日