厚東川アサリ、完全復活へ

県漁協藤曲浦支店(中村昭一運営委員長)のアサリ生産部会は、宇部市の厚東川河口で育てているアサリの収穫作業を始めた。別に3月31日には800㌔の稚貝を干潟に放流。〝育てる漁業〟でアサリの完全復活を目指す。

県内では瀬戸内海側の干潟を中心にアサリの漁獲があり、ピーク時の1980年代前半には約8000㌧の水揚げを誇っていた。厚東川河口もアサリの一大産地で知られていた。
しかし乱獲や、地球温暖化で海水温が上がり本来は南方の暖かい海に生息するナルトビエイが回遊するなど捕食者が増え、近年の水揚げ量は10㌧程度と壊滅に近い状態。このため県は2006年度から稚貝を放流するなどして資源回復事業に取り組んできた。
藤曲浦支店でも7年前から厚東川河口の干潟で稚貝を放流。エイやチヌ、イシガニなどに食べられないように上から網目の細かいネットをかぶせている。ネットに海藻が付着して稚貝が窒息死しないように、ネットと川底の間に籠やバケツを置いて空間を作るなど毎年、栽培環境を改良してきた。
現在、約3000平方㍍の漁場で栽培。大潮の時期を見計らって先月31日から収穫を開始した。放流時は体長25㍉程度だったアサリは2、3年で40㍉前後にまで成長。熊手で干潟を掘ると大粒のアサリがごろごろと顔を出した。
昨年は600㌔を収穫し、今年は5月いっぱいまでに1000㌔の水揚げを見込む。縄田百合夫アサリ生産部会長は「大きく育ったのはうれしいが、もっと大事なのは放流したアサリが次の世代を産んでくれたこと。本当の資源回復が始まっている」と話し、天然の小さな稚貝を新たに干潟にまいていた。
厚東川のアサリは泥地で育った黒っぽい色の殻が特徴で、味もこくがあっておいしいという。縄田部会長は「砂地も広がり白っぽいアサリも混在するが、黒いアサリを厚東川ブランドとして売り出すことを考えている」と話した。
藤曲浦支店では大潮ごとに収穫したアサリを港町1丁目の宇部港そばに開設する青空市場や新西釣具店(妻崎開作、電話41│2967)で販売する。
県内海研究部栽培増殖グループの岸岡正伸班長は「内海研究部で育てた稚貝を県内の河口や泥地約30カ所に放流しているが、厚東川は管理が行き届き生産効率が良い。国産アサリは味はもちろん安全という面でも商品価値がある。大きく育て、より高く売る販売ルートの確立が求められる」と豊かな海の復活を願っている。

カテゴリー:経済2014年4月2日

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