渡辺祐策の直筆校訓、68年ぶり宇部工高に

新たな学校の宝、祐策自筆の校訓を持つ伊藤校長(右)と朝顔生徒会長(宇部工高で)

宇部工高(伊藤健司校長、526人)に8日、前身の長門工業学校の校主だった渡辺祐策(1864~1934年)が記した校訓の書「誠と熱」が、市内の渡辺家から寄贈された。校内に掲げてあった祐策の額は、1945年7月2日の空襲により、校舎と共に焼失。68年ぶりに直筆の校訓が、生徒の目に触れることになった。

祐策は宇部興産の創業者で、宇部発展の礎を築いた人。長門工業学校の設立資金や運営費を全額支出し、生徒の授業料は一切免除。学習に必要な書籍や器具類の貸与、鉄工所で実習する際の手当支給、寄宿舎の建設などを行い、優れた技術者の養成に力を注いだ。
戦災で校内の書が焼けた時には、既に故人であったため、同校ではもう一人の長門工業学校開校時の校主、紀藤閑之介(元宇部市長)に依頼して1951年に執筆してもらった校訓を、玄関に飾っている。
渡辺家が所蔵していた書は、講堂完成前年の29年に祐策が筆を執った3枚のうちの1枚とされ、同校創立80周年(2001年)の記念写真誌でも紹介されている。「工業技術者を育成し、社会に貢献する同校のために書いたもの。在校生や卒業生が見られる場所に」との意向で、寄贈が決まった。
表装し直された額は縦53㌢、横148㌢で校長室に掲示する。「時間を経ても、創始者に近い祐策の思いが筆致から伝わってくる。生徒にも見せて、大切に後世に引き継ぎたい」と伊藤校長。
生徒会長の朝顔将希君(3年)は「入学式で話を聞き、校歌にも出てくるなじみ深い校訓。体育祭や文化祭、野球の応援練習時などに『何事に対しても誠意を尽くし、情熱を傾注して努力する』伝統を継承していると感じる」と話す。
同校には、創立90周年を機に安倍晋三現首相が執筆した校訓もある。

カテゴリー:教育・文化2013年7月9日

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