戦火くぐり抜けたスタインウェイ、復活を

復活計画が進むピアノの鍵盤部。木がむき出しの鍵盤がある(記念会館で) 約90年前に新川小に寄贈され、長い間存在を忘れ去られていたグランドピアノを復活させようと、宇部市の会社役員らで構成する音楽プロジェクト、咲夢さきどり実行委員会の計画が動き出した。今月からイベントを開いて市民から寄付を募って修理し、記念会館の舞台で再び音色を響かせる予定だ。

ピアノは世界最高峰といわれるメーカー、スタインウェイ・アンド・サンズ社製。1923(大正12)年3月、宇部興産創業者の渡辺祐策ら20人が新川小に寄贈した。
同会の調査によると、納入後に同小の講堂で開かれた試弾会には物珍しさから、美しい音色を聞こうと多くの人が集まった。45(昭和20)年の宇部空襲では、焼夷(しょうい)弾が降り注ぐ中で女性教師ら6人が消火作業に当たって焼失を免れた。
戦後、宇部好楽協会が井口基成やレオニード・クロイツァーら有名なピアニストを呼ぶたびに同小から記念会館に運ばれ、聴く人に音の癒やしを与えた。
老朽化と破損で同小に新しいピアノが入ると廃棄処分になり、長い間講堂の倉庫に放置されていた。現在、記念会館に展示されているが、一部の鍵盤は表面の象牙が剥がれ、弦もさびたり、切れたりして出ない音がある。
修理は国内の代理店か海外の工場で行うことになり、およそ300万円の費用が必要。同会は寄付を募るため24日午後6時から旧宇部銀行館(ヒストリア宇部)で説明会を兼ねたピアノ演奏会を開くほか、7月14日午後2時から記念会館での「宇部の謎、伝説のピアノ復活へ」と題したシンポジウムの入場料500円を費用の一部に充てる。
修理が終われば、記念会館で演奏会を開くほか、23年の試弾会で「さくらさくら」を歌った女性を呼ぶことも計画している。
同会の真部尚志統括代表は「この街からこれまで以上にみんなの力で新たに音楽文化を世界に発信できたら」と話した。
問い合わせは同会メールへ。

カテゴリー:教育・文化2012年6月14日

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