「岩戸神楽舞」後継者不足から存続の危機

宇部市万倉二ツ道祖(ふたつさや)地区に約250年前から伝わる舞で、県指定無形民俗文化財の「岩戸神楽舞」が、後継者不足から存続の危機にひんしている。一家相伝の特技として地元の人たちが継承してきたが、2008年を最後に人前で披露されていない。

保存顕彰会(矢原久登会長)では、今年12月の復活に向けて、舞い手、楽器を担当する人を近隣から幅広く募る。「何とか地元でと頑張ってきたが、年齢や体力的な問題もある。興味本位ではなく、長続きし、伝承者となってもらえる人に教えたい」と呼び掛ける。
岩戸神楽舞は、毎年12月5日の夜、地区東方の伊勢山に祭られている皇大神宮に奉納されている。戦中戦後に一時途絶えたが、1956年に復活し、58年4月に県文化財に指定された。
「剣の舞」「岩戸の舞」「姫の舞」など12種13座。前半は神事舞で、後半は動きのある「鬼の舞」や世の中が明るくなる「弓の舞」で締めくくる。太鼓や横笛、擂鐘(すりがね)に合わせて舞う。本来なら4時間だが近年は2時間程度に短縮している。
伝統芸能を守ってきた同地区のほとんどが高齢世帯。顕彰会も4人になり、辛うじて舞い手が3人残っているが、少人数で長時間の舞台を務めるのは難しい。何より楽器担当者がいないのが深刻だ。舞い手の呼吸に音や調子を合わせる重要な役割で、ベテランが担当してきたが、後継者がいなかった。これまでも募集したが、応募はなかった。
再興を願う声が強く、顕彰会は再び会員を広く募集する。踊りや楽器の調子も口伝えだったが、幸い、伝承用のDVDがあり、山陽小野田市のミュージカル団体に譜面に起こしてもらうよう依頼した。
多い時には一人で6役をこなしたという矢原会長は「少子高齢、過疎など時代の流れはあるが、まず手を尽くしてみようと思う。自分たちの代で終わらせるのは忍びない。以前のようなしっかりとした舞ができるかどうかは二の次で、地区の伝統を絶やしてはいけない」と語った。
中学生以上で意欲のある人を募集する。舞い手は多いほどよく15人程度が理想。万倉ふれあいセンターと二ツ道祖自治会館での練習に通えることが条件。住所、氏名、年齢、性別、連絡先を今月末までに万倉ふれあいセンター(電話67─0201、ファクス67─0312)へ。申し込んだ人には後日説明会を案内する。

カテゴリー:教育・文化2012年2月4日

写真注文はこちら
無料試読キャンペーン
宇部日報購読案内
サンデージョブ
サンデーうべ
サンデーワイド
サンデートレンド
Sundayうべ・おのだ
Sunday西京
サンデーネットワーク
全国郷土紙連合
新聞協会
選挙権を持つ君へ
アーカイブ
single