山大大学院の川崎教授らグループ、新材料の樋門作りに成功

新材料ゲートの強度実験をする関係者(山口大工学部で) 山口大大学院理工学研究科の川崎秀明教授らの研究グループは、発泡スチロール廃材を使った新材料モルタルで樋門を作ることに成功した。従来の鋼製ゲートより耐久性に優れ、低コストで製造できる。全国に無数にある上下水道や農業用水路の鋼製ゲートの更新や東日本大震災の復興に応用が期待される。10日、同大で最終の評価試験があった。

2009年度から3年間の国土交通省の公募研究。学内での装置実験や島根県中海海岸での現場試験を重ね、実用化を目指していた。新材料は、発泡スチロールに遠赤外線を照射して高密度で細かな粒子にした「EPS」を骨材にしたセメントペースト製。
従来のコンクリートは浸水すると吸水し、乾くと収縮する性質があるため、上下の開閉で吸水と乾燥を繰り返す樋門には不向きだった。EPSモルタルは、水を全く吸わないため、これら水分管理を考慮する必要がない。
比重は鋼製と同等だが、さびなどの腐食がなく、紫外線や塩素などによる化学変化にも強い。廃材を使用しており製造コストは鋼製の半分以下。寿命は鋼製が15~20年で5年ごとに塗装などが必要なのに対し、新材料はこれより長く、維持管理の手間はほぼ不要という。開閉のための巻き上げ機など従来の周辺設備をそのまま使用できるのも利点。
試作では約1・6㍍四方、厚さ10㌢のゲートを作った。内部に繊維強化プラスチック(FRP)製の格子状の骨を入れたり、周囲に特殊な補強を施したりして、水深4・6㍍の水圧に耐えられるようにした。
この日の実験には、学外の専門家も出席。センサーを複数箇所取り付けたゲートに水圧に見立てた力を加え、水平方向の変位やひずみを測定。十分な強度を確認した。川崎教授は「短い期間で良い結果を出すことができた。被災地の復興などに役立つことを期待している」と話した。

カテゴリー:教育・文化2012年1月11日

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