彫刻新時代へ、ビエンナーレ開幕

大賞作品とイストラーテさん(24日午前10時半) 宇部市制施行90周年、野外彫刻展50周年を記念した第24回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)は24日、常盤公園の野外彫刻展示場で開幕し、新しい時代への変化を予見させる実物制作指定作品20点が来場者を楽しませている。前日の選考委員会で、ルーマニアのジョージ・ダン・イストラーテさん(36)の「UNITY OF OPPOSITES(ユニティ オブ オポジッツ)」が大賞(宇部市賞)に輝いた。海外作家の最高賞は22回大会以降3回連続。会期は11月13日まで。

開会式は午前10時から行われ、関係者によるリボンオープンで会場に設けられたゲートが姿を現した。久保田后子市長は「50年の歴史の蓄積で作られたであろう作品、こんな作品が選ばれたんだという次の時代を予感させる作品が選ばれた。1961年に始まった彫刻展は、私たちの町の大きな財産であり、これからの希望。市民と歩むビエンナーレとして大きく花を開かせたい」とあいさつ。この後、出席者らが内外作家の力作をじっくりと鑑賞した。
前回展は会場の緩やかな傾斜を生かし、会場全体が一望できるにぎやかな景観だったが、今回はときわミュージアム横の平面部分をメーン会場とし、ゆったりとした空間で作品と向き合えるようになっている。
実物制作指定作品を含む入選模型40点はときわミュージアムで展示している。総合案内では、専用の彫刻ナビゲーションソフトが入ったスマートフォンやタブレット型端末を貸し出している。市民が選ぶ「緑と花と彫刻の博物館賞」の投票も受け付けている。
大賞のイストラーテさんは、イタリアの芸術家が集まるカラーラで創作活動を続けている。現地は大理石の産地として世界的に有名で、ミケランジェロの作品の多くもこの地の大理石が使われた。スイスの有名な作家にビエンナーレのことを教わり、美しい素材を生かした長さ4・5㍍、重さ3㌧の作品を初出品した。作品にある滑らかな曲線、ごつごつとした部分などには、アジアとヨーロッパの対比と融合を取り入れた。台風の影響で作品が届くのが遅れ、心身をすり減らしたが「最高賞の受賞は彫刻家として大きなステップになる。作品が理解してもらえたことにも満足している。作品の影で休んだり、子供たちに遊んでもらったりしたら」と手放しで喜んだ。賞金(500万円)は自国に工房を作るために使いたいとしている。
前日開かれた選考委員会では、世田谷美術館長の酒井忠康さんを委員長に、東京スカイツリーのデザイン監修、島根県立石見美術館長の澄川喜一さんら8人が作品をじっくりと見て回り、協議を経て各賞を決めた。宇部全日空ホテルで行われた表彰式では、プレゼンテーターが各賞を発表し、作家を祝福。続くレセプションでは受賞した作家が喜びや作品に込めた思いをそれぞれ語った。
席上、講評した酒井委員長は「時代の変化をどのように意識し、これからのビエンナーレに色を付けていくかが頭をよぎった。大賞は清潔な形と素材がもつふくよかさを見事に結実させた作品。宇部興産賞の作品には新しい時代を予見させる、ビエンナーレの後継の一端を感じた。半世紀続いているのは大変な歴史であり、ギネスブックもの。皆さんの大いなる情愛で、このビエンナーレを眺め、育てていこう」と呼び掛けた。

カテゴリー:教育・文化2011年9月24日

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