潜らずサンゴ礁マップ、山大大学院神野教授 学会奨励賞

石垣島の海底の様子を推定したマップ。赤がサンゴ礁、青が砂や小石を示す(Digital Globe社提供の画像を解析) 山口大大学院理工学研究科の神野有生助教(28)=社会建設工学=は、サンゴ礁のある浅い海水域を撮影した人工衛星の写真を、独自の手法で解析し、水深やサンゴの分布を推測するマップを作成する技術を開発した。地球温暖化による海水温の上昇などで破壊が進む世界のサンゴ礁の状態を簡単に定期的に観察でき、保全に役立つと期待される。このほど日本リモートセンシング学会論文奨励賞を受賞した。

サンゴ礁は、硬い骨格を持つサンゴが積み重なってできた複雑な地形。多様な生物を育み、漁業資源や観光資源としての価値が高い。近年、海水温の上昇や汚染により、サンゴの白化が進み、生態系への影響が懸念されている。
その保全には、サンゴの種類や分布の継続的な把握が必要だが、ダイバーの潜水による目視調査に頼っているのが現状。費用と労力がかかり、一部地域しか対象になっていない。
神野助教は、衛星が撮影した高精細デジタル画像を読み取り、水深と海底の様子を推測する技術を開発した。画素単位で明るさと赤、青、緑の色味を分析。これに実測データによる統計と照らし合わせ精度を高めた。
従来の技術では、色が暗い部分は、水深が深いと推測するが、神野助教の技術では、色は暗いが水深は浅いサンゴ礁の海底を正確に推測できる。水深や海底の地形が分かることで、水温や海水の流速、濁りなどの水環境まで予測できる。
沖縄県石垣島周辺をモデルに画像解析で作った海底マップは、実測によるマップとほぼ一致した。
神野助教は「特に発展途上国など現地調査が難しい水域の推測に利用価値が高いと考える。今後は統計学的手法に工夫を重ね精度を高めたい。衛星画像から地球上のあらゆるサンゴ礁の状態や環境を推定できるようになれば」と話した。

カテゴリー:教育・文化2011年6月30日

写真注文はこちら
無料試読キャンペーン
宇部日報購読案内
サンデージョブ
サンデーうべ
サンデーワイド
サンデートレンド
Sundayうべ・おのだ
Sunday西京
サンデーネットワーク
全国郷土紙連合
新聞協会
選挙権を持つ君へ
アーカイブ
single