EPSモルタルで「樋門」、山大大学院・川崎教授ら

開発した新材料ゲートと川崎教授(山口大工学部で) 山口大大学院理工学研究科の川崎秀明教授らの研究グループは、発泡スチロール廃材を使った新材料モルタルを、樋門に応用することに成功した。従来の鋼製ゲートよりも軽量で耐久性に優れ、低コストで製造できる。上下水道や農業用水路などに使われている鋼製ゲートは、全国に無数にあり、今後、大量に更新期を迎えるが、これに代わる画期的な樋門として注目を集めている。

2009年度から3年間の国土交通省の河川技術研究開発公募研究に採択され、実用化を目指していた。昨年12月に学外の専門家による性能評価試験で高く評価された。
新材料は、発泡スチロールに遠赤外線を照射して高密度で細かな粒子にした「EPS」を骨材にしたセメントペースト製。特殊な混和剤も加え強度を高めた。
通常のコンクリートは浸水すると吸水し、乾くと収縮する性質があるため、上下の開閉で水に漬かったり、漬からなかったりを繰り返す樋門には不向きだった。EPSモルタルは、水を全く吸わないため、これら水分管理を考慮する必要がない。
比重は鋼製の7分の1と軽量だが、水の1・2倍あり安定して水中に沈む。またさびなどの腐食がなく、紫外線や塩素などによる化学変化にも強い。
試作では約1・6㍍四方、厚さ10㌢のゲートをつくった。内部や周囲に特殊な補強を施し、水深4・6㍍の水圧にも耐えられる。開閉のための巻き上げ機など従来の周辺設備をそのまま使用できるのも利点。
廃材を使用しており製造コストは鋼製の半分以下。寿命は鋼製が15~20年で5年ごとに塗装などが必要なのに対し、EPSモルタルは50年は持ち、維持管理の手間はほぼ不要という。
川崎教授は「あと1年かけて改良し、さらに強度を高めたい」と話した。

カテゴリー:教育・文化2011年1月17日

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