子宮頸がん特有のたんぱく質確認、山大大学院・福島助教

山口大大学院医学系研究科の福島千加子助教(産婦人科学)は、子宮頸(けい)がんにだけ発現する複数のたんぱく質を突き止めた。子宮頸がんの早期発見には、検診が重要だが、内診への抵抗感から受診率は低い。これらたんぱく質を腫瘍(しゅよう)マーカーとして採血で測定できる診断キットが開発されれば、手軽に受診できる画期的な検診法となる可能性がある。

子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することが原因で発症する。日本では年間一万二千人が発症し、二千五百人が死亡する。若い世代に多いのが特徴。十一─十四歳でのワクチン接種による予防と、二十歳以降の検診による早期発見が重要とされる。
ワクチン接種は公費助成の動きが全国でも広がっている。一方、検診は内診台へ上がることへの抵抗感から受診率は二割弱。出血などの症状があって受診した時には既に進行がんになっている場合が多い。
福島助教は、内診によらない早期発見の方法を研究。たんぱく質を分子レベルで解析するプロテオミクス法で、がん細胞のたんぱく質の発現状態を網羅的に調べた結果、正常細胞とは異なるたんぱく質が五種類見つかった。次にこれらのたんぱく質を標的に、精度の高い確認検査(ウエスタンブロット法)で直接検出した。
症例数を増やして検討したところ、五種類のたんぱく質のうち一部のたんぱく質で進行がんになるにつれ組織での発現量や頻度が増加することが分かった。また、あるたんぱく質は、これまで検出が困難であった早期がんにおいても、組織内で発現量に変化が出ることが分かった。
現在は基礎研究段階だが、実用化されれば、他の診断方法と組み合わせながら、これらのたんぱく質の発現量を調べることで、より正確に早期にがんを発見できる可能性がある。また、再発予知にも有効なことから、術後の治療方針を立てることも期待される。
特に組織採取ではなく採血で含有量を測定できるキットの開発を、医療機器メーカーと共同で進めることを目指している。さらに福島助教は「たんぱく質の発現や働きのメカニズムを解明できれば治療薬の開発にもつながる」と話した。

カテゴリー:教育・文化2010年11月12日

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