山田洋次監督が〝故郷〟で舞台あいさつ

青年期を宇部市の藤山地区で過ごした映画監督、山田洋次さんの最新作「小さいおうち」の特別先行上映会は23日、フジグラン宇部のシネマスクエア7で開かれ、2回の上映に多くのファンが駆け付けた。82本目のお披露目にあたり、山田監督は「思い出が詰まった宇部で、全国に先駆けて有料試写会が開かれるのはとてもうれしい。スタッフと精いっぱい心を込めて作った」と語った。

「小さいおうち」は、第143回直木賞を受賞した中島京子さんのベストセラー。山田監督は50年以上、家族の絆を描いてきたが、今回は家族の秘密に迫る。昭和と平成の東京と地方都市を丁寧に描いている。1月25日から全国ロードショー。
原作との出会いについて「素材との巡り合いは運命的なもの。評判は聞いていたが、たまたま本屋でオレンジ色の背表紙の本を手に取った。面白そうだったので、買って一晩で読んだ。映画になると思い、翌日には中島さんに手紙を書いた」と振り返った。
物語は青年と祖母のやりとりを背景に、場面は昭和と平成の世を行き来する。「現代の青年の歴史認識と、その時代を生きた市井の人とのギャップも作品の特徴。昭和10年代を知っている人が少なく、自分の記憶もよりどころにした。東京郊外の中流家庭を描き、その家族の中での『秘密』は歴史という大きな渦の中に巻き込まれていく。秘密が罪で責任を負うものだとしたら、その時代に起きたことの責任は誰にあるのかなど、歴史の動きも感じ取ってもらいたい」と語った。
宇部への来市は昨年末に開かれた「東京家族」の上映会以来。文化のまちづくりについて「戦後の荒廃、復興、炭鉱景気など、活気があったが騒々しいまちだった。その後、緑と花のまちづくり、文化創造など、歴史が残した物に頼るのではなく、変えていこうという人為的な努力と強力なポリシーを感じる」とした。
今後について「また家族の物語を撮りたい。画家や小説家が作品を世に出し続けるように、映画監督も同じ。苦労やつらいことも含めて、イマジネーションを抱き、それを具現化する映画作りはとても面白い」と意欲を見せた。

 

カテゴリー:教育・文化2013年11月25日

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