山大大学院で「次世代マグネシウム電池」開発

山口大大学院理工学研究科の山吹一大・助教、堤宏守・教授、板岡加成恵・学術研究員らの研究グループは、安価なマグネシウムと硫黄を電極に使う新型の充電池の開発に成功したと発表した。正極に硫黄と炭素などを化合させ独自開発した新素材の「有機硫黄」を採用。理論上、リチウムイオン電池の6倍の電力を蓄えることができる次世代電池として専門家の注目を集めている。走行距離の短さが難点の電気自動車や、太陽光発電の貯蔵などへの応用が期待される。

既存のリチウムイオン充電池の多くは高価なレアメタル(希少金属)のリチウムを電極に用いている。リチウムは、現在、全面的に輸入に頼っており、埋蔵量も限られている。

山吹助教らは、負極にマグネシウム、正極に炭素や酸素、水素などを硫黄に組み込んだ「有機硫黄」を採用。通常の硫黄は、電極間を満たす電解液に溶け出すのが欠点だったが、「有機硫黄」は溶け出さず、安定した電極として機能する。

電気を蓄える容量は、同じ大きさのリチウムイオン充電池と比較すると6倍。太陽光発電など自然エネルギーをためるのに適している。

リチウムイオン充電池の電気自動車では、1回の充電で現在、走行距離が最大約150㌔だが、山吹助教らのマグネシウム電池では、この3倍程度の走行が見込めるという。医療用のペースメーカーの小型電池に応用した場合、取り換え不要となる。

また、マグネシウムは海水に豊富に含まれ、硫黄は石油精製の過程で大量に発生する。材料としてはいずれも無尽蔵。ただ、新型電池は蓄電回数が現段階では50回程度で、50回目には初回に比べやや劣化するのが課題。山吹助教は「現在は基礎研究レベルだが、リチウム電池に代わる安価な充電池としての実用化を目指したい」としている。電池関連の著名な学術誌「ジャーナル・オブ・パワー・ソーシズ」の8月14日号に掲載された。

 

カテゴリー:教育・文化,経済2015年11月20日

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