山大・西形准教授グループがアミノ酸類の新合成法発見

 山口大大学院創成科学研究科応用化学分野の西形孝司准教授(39)をリーダーとするグループが、非天然型アミノ酸を作る基本技術の開発に成功した。大きな構造を持つアミノ酸は、画像診断薬や特定の細胞と強く相互作用するため、新薬の開発には欠かせない。ただし、立体的に込み入った構造で、アミノ基を導入する「アミノ化」が極端に難しく、新たな合成手法の開発が喫緊の課題だった。天然のアミノ酸は種類・構造に限りがある。今回の開発によって、いろいろな構造のアミノ酸を作れる可能性が広がった。将来的には、がん治療薬など幅広い応用が期待される。
 西形准教授は栃木県出身で、北海道大卒。2010年にノーベル化学賞を受賞した鈴木章同大名誉教授の孫弟子に当たる。同大の宮浦研究室や米カリフォルニア大で博士研究員を務め、九州大先導物質科学研究所の特任助教を経て、12年から山口大理工学研究科准教授、今年度から現職。有機合成化学の研究で、優秀論文賞、若い世代の特別講演証、宇部興産学術奨励賞などを受けている。
 今回の研究は九州大時代の同僚、東京大生産技術研究所物質・環境系部門の砂田祐輔准教授らのグループと共同で実施。銅触媒によって、α│ブロモアミド化合物とアミンとのアミノ化反応に成功した。この原理を使えば、さまざまな非天然型アミノ酸誘導体を作ることができる。
 5年かけて新たな反応技術を開発した西形准教授は「人の役に立つ物質を作りたかった。非天然型アミノ酸を自在に合成する第一歩を踏み出せた」と喜びをかみしめる。今後は「光学活性なアミノ酸も合成できるよう工夫したい」と抱負。
 西形准教授の指導を受け、中心となって論文をまとめたのは石田頌さん(修士2年)と竹内健太郎さん(同1年)。いろいろな条件下で実験を繰り返し、昨春この反応を発見した石田さんは「最初は何ができたのか分からなかったが、西形先生から画期的な反応と聞いて、うれしかった」と振り返る。企業の研究者を目指す竹内さんは「将来役に立ちそうな開発を自分たちの手でできたのは、貴重な経験。やりがいを感じる」と話している。
 今回の研究成果は、応用化学分野の最高峰の雑誌「アンゲバンテケミー」(ドイツ)に掲載される。

カテゴリー:教育・文化2017年9月8日

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