吉部村芝居、11月3日に3年ぶり奉納

3年に1度、上演されている吉部村芝居が、11月3日に開かれる吉部八幡宮(宇部市東吉部)の芋煮え祭りに合わせて披露される。過疎化が進む地域を盛り上げようと1988年に村芝居が復活してから、同宮への奉納は今回で10回目(上演回数は12回目)の節目を迎える。
吉部地区では戦前戦後に、近郷でも有名だった吉部歌舞伎一座が農村娯楽のために演じていたが、後継者難で活動中止。吉部村芝居という形で引き継がれたが、その村芝居も続いたのは70年ごろまでだった。
地域の高い文化的精神を引き継ぎ、さびれていく地域の活性化を図るために吉部村芝居を復活させようと、88年に吉部文化推進会(大田壮助会長)を結成。役者とスタッフ合わせて40人が「一本刀土俵入り」を上演し地域を盛り上げた。
翌年も上演したが、準備・稽古に2、3カ月を要し、農繁期にも重なることから、92年以降は3年に1度のペースで披露している。
今年は5月に外題を「親を裁く奉行」に決定。監督も務める大田会長(63)らが演じる役者を口説いて回り、新人3人を含む製造業、看護師、造園業などさまざまな職業の11人が9月から日曜日を除く週6日、午後8時から10時すぎまで、吉部八幡宮境内にある上演舞台となる吉部文化センターで稽古を重ねている。
2幕構成。幼少の頃に父親と生き別れになった奉行が、母親を奪った男を殺した父親を白州の上で裁くことに。調べが進むうちに互いが実の親子と分かったが、罪は罪として裁かれる。親子の機微が随所に感じられる人情もの。
吉部カラーを随所に脚本に加え、茶屋でのやりとりでは、地元名物料理の竿(さお)まんじゅうやゆうれい寿司(ずし)も登場する。
連夜の稽古では、大勢のスタッフが見守る中で、素人役者らが熱心に演じている。「もっと動作を大きく」「滑舌をよくして」などと指導する声が飛んでいる。
新人役者は地元の山根亮さん(36)、矢冨幸代さん(33)、浅野武史さん(39)の3人。岡っ引きを演じる山根さんは「地域を盛り上げたいと参加した」。茶屋の娘を演じる矢冨さんは「時代に合わせたせりふ回し、所作が難しい。当日は家族らが見に来るので頑張りたい」と張り切っている。
吉部地区は2007年に人口が初めて1000人を割り込み、その後も減少し現在は860人。大田会長は「笑いあり涙ありの芝居を大勢の人に見に来てもらいたい。上演に合わせて同窓会を企画された学年もある」と吉部地区に歓声と笑顔が戻るのを期待している。

カテゴリー:教育・文化2013年10月19日

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