「藤田市政」4期目が始動

 楠町と合併後、初の宇部市長選挙は二十六日、投開票が行われ、現職で無所属の藤田忠夫さん(65)が、有効投票の73・48%、三万二千四百一票の支持を得て、四選を果たした。二十七日から早速、公務に復帰。真っ赤に日焼けした顔で、幹部職員らに「走りながら考えるぐらいのスピードで新しい宇部市をつくっていこう」と訓示した。投票率は市長選史上最低だった前回を3・67ポイント下回る31・45%。県内市町村の首長選挙史上最低記録、国政・地方選挙を通じての市の最低記録も塗り替えた。
 現職と共産党新人との一騎打ちは三期連続で、懸念された通り低投票率の中での戦いとなった。有効投票に占める藤田さんの支持率は、前回より3・44ポイント下がり、得票数も三千七百八十七票減った。共産党県北南地区委員長の五島博さん(49)は、前回の共産候補より八百三十五票多い一万一千六百九十五票だった。
 藤田さんの得票は五島さんの約二・八倍。自民、公明、連合山口をはじめ百十団体の推薦を受けた藤田さんが、現職の強みを発揮し、二万七百六票の大差を付けて圧勝した。
 五島さんは藤田市政を「財政難の中、不要な大型事業に大金を投入し、一方で住民サービス削っている」などと批判。市長の報酬カットや退職金制度廃止、市民の暮らしと福祉を最優先する市政を提唱して争点化を目指したが、旋風は起こらなかった。

 歴代市長で初めての四期目を託された藤田市長は二十七日午前十時、支持者や職員ら約三百人の拍手に迎えられて登庁。市役所玄関前で、留守を預かった縄田欽一助役と握手し、職員代表から祝福の花束を受け取って、笑顔で玄関をくぐった。
 市議会へのあいさつを済ませた後、課長以上の職員を前に訓示。「四年間、皆さんと一緒に仕事ができることを、心強く、うれしく思う。ローカル・マニフェスト(政策公約)を追加・修正しながら、実現に向けて精力的に取り組みたい。今後は、行政の内容を数値化し、客観的な説得力のある施策展開を心掛ける」と語った。
 縄田助役は「史上初の四選の快挙、おめでとうございます。十二年間の経験を生かし、思う存分腕を振るって、市の発展に尽くしてください」と祝辞を述べた。
 記者会見に臨んだ藤田市長は、四期目について「バブル崩壊後、建設投資の発想は無くなった。地方分権で国からの指示でなく、行政が自前で考える実力を付けねばならない時代。市民と協働でやっていきたい」と話した。真っ先に取り組みたいのは「少子高齢化対策としての地域コミュニティーの充実」とし、エコミュージアム(生活環境博物館)の手法も示した。
 市長報酬や退職金については「市の制度や金額を含め、行財政改革の中で見直したい」と回答。広域合併は「当面の問題が一段落したら、山陽小野田市、美祢市などと一緒に考えていきたい」と述べた。
 マニフェストの作成により「自分の頭が整理でき、市民と具体的な話ができるようになった」とし「内容をホームページで公開するほか、テーマ別の委員会設置や意見公募も行い、個々の施策を展開していきたい」と決意を語った。

 国政、地方選挙を通じて市の最低投票率は、昨年八月の県知事選の32・13%だったが、今回はそれを0・68ポイント下回った。市長選の投票率は、市議補欠選挙と同時選挙だった八年前から、不在者投票の要件緩和や期日前投票施行のプラス要因があったにもかかわらず、三回連続で最低記録を更新する結果になった。
 不在者、期日前投票を除く当日だけの投票率を見ると、六十二投票所のうち、市街地を主体に、過半数の三十五投票所で30%を切った。
「市政に関心を持ってほしいと懸命に訴えたが、前回より投票率が下がったのは残念」と藤田さん。「思っていることを十分伝えながら、市の将来に向かって市民と一緒に頑張りたい。マニフェストを充実させ、スピーディーに次々と実行に移していく」と抱負を語った。

 花束を掲げて祝福に応える藤田市長(27日午前10時、市役所玄関前で)

カテゴリー:アーカイブ2005年6月27日

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