宇部市南部で「シカ目撃」情報相次ぐ

住宅や交通量の多い宇部市南部で昨年から今年にかけて、シカの目撃情報が相次いでいる。生息数、生息域の拡大により、親元を離れた雄が市街地にまで行動範囲を広げているようだ。市農林振興課によると、霜降山や日の山には既に生息しているとみられ、今後も町中でばったりと出くわしてしまう可能性はあり、市民の心構えは必要だ。

県の調べでは、ニホンジカの生息域は県北西部の下関、長門、美祢の3市にまたがり、近年は宇部、山陽小野田、山口、萩の隣接市でも生息が確認されている。推定個体数は、2015年の数値で約2万3000匹。00年の約9000匹と比較すると、2倍以上に増えた。天敵がいない上に、繁殖力が強く、過疎化による餌場の増加、狩猟者人口の減少などが要因として考えられている。

動物の生態に詳しい県立山口博物館の田中浩さんによると、シカは母系社会で、雄はある程度成長すると母元を離れて遠く移動する「分散」という習性を持つ。比較的人里に近い場所で育ったシカは、人や車にも慣れており、宇部市内では6月1日に交通量の多い妻崎開作の国道190号流川交差点で2匹が姿を現した。昨年10月にも、市立図書館周辺や則貞などで、同一個体とみられる雄が相次いで目撃された。JR宇部駅周辺でも、昨年の夏から秋にかけて数件の情報が市に寄せられた。いずれも、その後の消息はつかめていない。

シカと遭遇したときの対処について、田中さんは「警戒心が強いので、放っておいたら逃げていく。パニック状態になると、どのような行動を取るか分からないので、脅かさないように」と忠告する。県内に生息するシカは希少なホンシュウジカで、保護対象でありながら有害鳥獣にも指定されている。市農林振興課(電話67-2822)では、目撃したら連絡するよう協力を求めている。

カテゴリー:アーカイブ2017年6月10日

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