バードストライクで空の便欠航目立つ

先月末から、山口宇部空港では鳥と旅客機の衝突が続き、主翼への衝突と、エンジンの吸い込みで2便が欠航した。空港や航空会社が対策を講じているが、着陸ルートの瀬戸内海上を多数の野鳥が移動するこの季節は、完全には防げないのが現状だ。
こうした衝突はバードストライクと呼ばれ、航空業界は深刻に捉える。小さな鳥が巨大な航空機を飛行不能にすることに「まさか」という人もいるが、高速飛行する物体同士による衝突の破壊力はすさまじい。
3月25日に欠航した全日空便は、右の主翼の離着陸時に使う頑丈な金属でできたフラップの表面の層が、衝突により長さ約30㌢の範囲ではがれたのが、出発前の点検で見つかった。
また、8日に東京・羽田空港から到着した日本航空便は、滑走路に降りて減速している際に前を横切ったヒヨドリの群れを避けられなかった。約90羽が機体に傷を付け、複数羽がエンジンに吸い込まれた。折り返し便が欠航。高速回転する吸気口に付着した肉骨片を取り除く作業には約半日を要した。
海に面した空港ではバードストライクが頻繁に起きる。2009年に起きた「ハドソン川の奇跡」と呼ばれる、USエアウェイズ機が体長60㌢もある大型のカナダガンをエンジンに巻き込んだことによる不時着水事故をきっかけに、国は対策を強化。山口宇部空港では、離着陸前のパトロールで鳥の姿があればクラクションを鳴らし、動かなければ空砲を使った威嚇で拡散させる。このほか、巣を作らせないよう周辺の除草を徹底している。
こうした対策を講じても、同空港で完全に防げない理由の一つは、海上で渡り鳥が飛ぶコースと飛行機の着陸のルートが交差するため。きらら浜自然観察公園の原田量介園長によると、ヒヨドリは外敵から身を守るため数百から数千羽が群れを成し、福岡県北九州市から山陽小野田市に向けて渡る。下関から山陽小野田にかけての広い範囲の海上では、対策を講じるのは不可能だ。
同空港では周辺を飛び交うのは小型の鳥がほとんどで、衝突しても深刻な事態に陥る可能性は低いとされる。県事務所は「関係機関と協力してバードストライクが起きにくい環境づくりを考えたい」としている。

カテゴリー:アーカイブ2014年4月14日

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