機動隊宇部小隊、被災地で活動続く

行方不明者を捜す隊員(岩手県釜石市で、提供)

東日本大震災から2年が経過した現在も、中国管区機動隊宇部小隊が被災地で活動を続けている。これまでの出動は16回、活動日数は234日、隊員は延べ3200人を超えた。活動内容は、発生直後は立ち入り規制や捜索だったが、最近は福島第1原発の警戒が中心になっている。

2年前の大震災発生直後に広域緊急援助隊の一小隊として宇部警察署を出発。震度6強の激しい揺れと津波で壊滅的な被害を受けた福島県いわき市で、立ち入り規制に当たった。
7日後、岩手県の沿岸部の野田村で捜索活動を行った。1576世帯のうち、479世帯が全半壊して38人が死亡。一面がれきで埋まり、道路が寸断された中、手作業で行方不明者を捜した。倒壊した建物は見逃さないように、小さな隙間まで確認した。体育館で寝て、缶詰など保存食で過ごす日々が続いた。
2カ月後からは「20㌔検問」が加わった。放射能防護服に身を包み、線量計の数値を見ながら活動した。幹線道路で検問を行い、東京電力の関係者ら以外は戻らせた。
菅直人首相(当時)と韓国首脳が被災地を訪れた際は、要人警護の任務にも当たった。
夏になっても捜索は続いた。照りつける日差しの下、宮城県気仙沼、石巻市、岩手県陸前高田、釜石市で活動。大きな余震に見舞われ、高台に避難することもあったが、海岸線に流れ着いた犠牲者を運ぶなどした。真夏も長袖と長ズボン姿は変わらず、暑さで熱中症になる隊員もいた。
過酷な勤務の中、被災者とのふれあいもあった。毎朝、隊の宿泊地に小学生が来て、車のワイパーに「いつもありがとう。がんばれ」とメッセージを挟んでくれ、励まされた。
この年の出動は11回。年末は原発から20㌔圏内に入って警らした。農家が逃がした牛や豚、ダチョウが道路を歩いている状態。コンビニは窃盗に遭い、現金自動預払機(ATM)は壊されて現金が抜かれていた。盗難事件が多発し、不審者にも目を光らせた。
2012年は4回、13年は1回出動。原発周辺など福島県内での警戒や検問をした。被災地の放射能の数値は基準値内とはいえ、目に見えないだけに怖い。隊員は2週間単位の活動から戻ると、血液検査など健康診断を受けている。
被災地では、今なお31万人が避難所で暮らしている。石田健二小隊長は「まだ手つかずの場所が多く、復興は半ば。冬は寒く、夏は暑い過酷な環境だが、逆に被災者に励まされ、元気をもらっている。今後も派遣が続くが、精いっぱい活動したい」と話した。

カテゴリー:行政2013年3月13日

写真注文はこちら
無料試読キャンペーン
宇部日報購読案内
サンデージョブ
サンデーうべ
サンデーワイド
サンデートレンド
Sundayうべ・おのだ
Sunday西京
サンデーネットワーク
全国郷土紙連合
新聞協会
選挙権を持つ君へ
アーカイブ
single