公共建築に県産木材を、県が自治体関係者集めセミナー

木造平屋建ての西岐波市営住宅を見学する参加者(西岐波萩原で)

公共建築物における県産木材の利用を進めるセミナーは26日、西岐波ふれあいセンターで県内自治体の住宅建築課職員ら約50人が参加してあり、木材建築物の良さを再認識したり、利用促進のための情報交換をしたりした。県森林企画課主催。

断熱性、調湿性に優れ快適で健康的な空間を提供してくれる木材を公共建築物に積極的に使っていくために開かれた。環境に優しく再生可能な循環型資源としての理解も深める。
事例発表では宇部市住宅課の福田庄吾課長補佐、石原貴裕農林振興課係長が「宇部市有林の木材を利用した市営住宅の建築事例」と題して発表。県内でも早くから児童施設や学校などを木材で建築している下松市住宅建築課、木材などを提供している住宅設備会社の池永商事(萩市)がそれぞれの取り組みを紹介した。
福田課長補佐は西万倉にある2カ所の市有林からヒノキやスギ約1300本を切り出し、木造平屋建ての西岐波市営住宅をこの夏、建築した経緯を説明。間伐材利用による森林保全と林業振興、環境への負荷の軽減、地産地消の促進、大工技術の伝承-の4点を木材利用の目的と話した。
一方で「木材を搬出する作業道の確保が困難で十分な木材量を確保できずに一部は県産材で補った。立木の状態で品質を見極めるのが難しく、使える木材の歩留まりが思ったより悪かった」と課題を指摘した。
この後、山口大大学院理工学研究科の内田文雄教授がコーディネーター、発表者がパネリストを務め、公共建築物に木材を利用するための課題を話し合った。担当者からは「切り出した木材は人工乾燥するにしても最低3カ月はかかるので、鉄筋コンクリートなどで建築するケースとは時間的にも予算的にも全く違う工程となる」「木材価格の透明性が求められている」などの声が聞かれた。
建築家でもある内田教授は「木材建築物は防火や耐火にも配慮しなくてはならず、大きい建築物となり一定の広さになると木材の間にコンクリートの仕切りをかまさなくてはならず、建物のつながりを出すのに苦労させられる。しかし、木で家を造る良さをユーザーに理解してもらい、利用促進を図るための啓発は続けていく必要がある」と締めくくった。
セミナー後は西岐波市営住宅に移動し、敷地内にある鉄筋コンクリート住宅と見比べながら木材で建築された平屋住宅を見て回った。
県内では戦後間もなく植樹された人工林が現在、育てる時期から利用する時期に来ており、公共建築物への利用促進がクローズアップされている。県森林企画課は昨年12月に「公共建築物等における木材の利用促進に関する基本方針」を策定。この中で、県産木材の利用促進の意義、促進のための施策に関する基本的事項、県が整備する公共建築物などにおける木材の利用の目標などを打ち出している。

カテゴリー:行政2012年10月27日

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