5市連携し鳥獣対策

宇部市は県から業務委託され今月中旬、イノシシ捕獲のための箱わな15基を山間部などに新たに設置する。8月に設立された県西部鳥獣被害広域対策協議会の今年度のメーン事業で4市が共同して取り組む。

深刻化する野生鳥獣による農林業被害を防止、軽減する取り組み。これまで主に各市町単位で取り組んでいたが、より効果的な対策のためには広域で対処する必要があることから、県はこの夏、西部、中部、東部にそれぞれ広域対策協議会を発足させた。
西部対策協議会には宇部市、山陽小野田市、下関市、美祢市、長門市の5市の鳥獣被害防止対策協議会が参加。捕獲、防護対策のほか地域内で捕獲された鳥獣の食肉利用についても連携して取り組む可能性を検討する。
今年度は箱わなの設置と検討会の開催(10月、2月)を行う。箱わなは前年度の被害状況と地域の要望を踏まえ長門市に37基、美祢市に30基、宇部市に15基、山陽小野田市に5基を総事業費940万円を掛けて設置する。下関市は銃による捕獲が中心となる。
宇部市は市鳥獣被害防止対策協議会宇部支部、同厚宇北支部の会員に箱わなを配り、イノシシの通り道に設置する。
県内のここ5年間の鳥獣被害状況は2007年度6億4200万円、08年度6億4700万円、09年度7億2100万円、10年度8億100万円、11年度6億8000万円。
11年度の鳥獣別被害状況はイノシシ3億3000万円、サル1億5400万円、シカ8600万円、カラス4600万円などの順。作物別被害状況は水稲2億6400万円、野菜1億6200万円、果樹1億600万円、イモ類6000万円、造林木(スギ、ヒノキ)5500万円、その他3300万円となっている。
宇部市の被害状況は09年度1310万円、10年度2670万円、11年度2620万円。山陽小野田市の被害状況は09年度480万円、10年度930万円、11年度930万円。被害状況は全県と同じ傾向にある。
県は拡大する有害鳥獣による農林業被害を軽減するために、10年11月に対策プロジェクトチームを立ち上げ、防護柵の延長、高齢化などで辞める人が増えている狩猟登録者(銃、わな)の確保のために登録試験のPRや受験料の補助などに取り組んだ。その一定の成果が出て、11年度は前年度より被害金額が約15%減った。
しかし被害自体は依然として高水準にあり、特にイノシシ被害の割合は全体の半分近くを占め、さらに増加傾向にある。また下関市豊田、豊北地区などに分布していたシカが行動範囲を広げ、宇部市でも霜降山などで数頭が確認されている。先月23日には船木でイノシシ捕獲のためのくくりわなにシカが掛かっていた。
深刻化する鳥獣被害について市農林振興課の石原貴裕係長は「イノシシは11年度に市内で前年度より211匹多い751匹が捕獲された。家庭菜園などは報告されないことが多く、鳥獣被害の実態はもっと大きいのでは」、県農林水産政策課の宍戸隆主査は「耕作放棄地が広がり、田畑の近くまで身を隠す場所が拡大しているのも、鳥獣被害が増加している一因と予想される」と話した。

カテゴリー:行政2012年10月3日

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