救急搬送4割が軽傷者、休日・夜間小児科は8割

救急搬送グラフ 地域の救急医療が、危機的状況にある。昨年、救急搬送した患者の4割が、入院の必要のない軽症者であることが判明。初期医療の宇部市休日・夜間救急診療所(琴芝町2丁目)でも、小児科で不要不急の診療が8割弱に上る。慢性的な医師不足の中、軽症患者が安易に利用する「コンビニ受診」が、勤務医の疲弊や重症患者の治療に支障を及ぼすことが懸念される。

4月に発足した宇部・山陽小野田消防局によると、昨年、救急車の出動件数は両市合わせて1万427件。搬送した9158人のうち、4割の3655人が入院の必要のない軽症者だった。
119番通報を受けて救急隊員が現場に到着すると、指先の軽い切り傷だったり、タクシー代わりに歩いて救急車に乗車したりするケースがあったという。
救急車10台は常に稼働状態。同消防局は「要請があれば拒否できないのが実情。本当に必要な重症者の搬送に支障が出ることが、一番心配」と話す。
救急車の出動件数は、増加傾向にある。宇部市単独では、2002年の出動件数は5871件、搬送人員は5517人。昨年は各7256件、6273人で、各20%、12%増。
増加の背景に高齢化がある。昨年の搬送者の58%が65歳以上の高齢者。独居の場合、軽症でも不安にかられて通報するケースがあるという。同消防局は状況を改善しようと、「救急相談」(電話21─2866)を設置した。通信司令官が24時間、365日対応し、要請の必要の有無の判断や、軽症の場合、病院紹介を行う。
市休日・夜間救急診療所でも「コンビニ受診」が後を絶たない。宇部市医師会は10年5月から半年間、受診状況を調査した。その結果、特に小児科で受診者1639人のうち、77%が必ずしもその日、その時に受診する必要のない軽症者だった。現在もほぼ同様の傾向という。
患者側で重症度の判断がつかない場合があり、医師が診療後に判断した数字だが、親が「日中は仕事がある」といった理由での明らかなコンビニ受診が軽症者の25%を占めるという。同会は「軽症でも対応に一定の時間がかかる。一人でも減ると現場は助かる」と話す。
乳幼児の容体について、判断に迷う親の不安を解消するため、県は「小児救急医療電話相談」(#8000または083─921─2755)を開設している。
森谷浩四郎・市医師会病診連携担当理事は「救急医療は掛け替えのない地域資源。限りある資源を守るために、市民には適正な利用をお願いしたい」と話した。

カテゴリー:行政,その他の話題2012年9月8日

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