がんの市民アンケート6割が「自宅療養」望む

がん市民アンケートグラフ 余命6カ月以内の宣告を受けた時、何らかの段階で「自宅療養」を望む人が6割。宇部市が2000人を対象に実施した「がんに関する市民アンケート」で、こんな結果が出た。一方で、在宅緩和ケアを行っている開業医や患者会など、市内の医療・社会資源についての認知度は低く、自分の希望に沿った療養生活を「実現できると思う」と回答したのは、2割にとどまった。

アンケートは「がん患者に優しいまちづくり」を目指す市が昨年7、8月に行った。無作為抽出した20~79歳の市民に質問を送り、704人(35・5%)から回答を得た。回答者の平均年齢は55・8歳で、女性が約6割を占めた。
本人を含め家族、親戚、友人・知人など身近に「がんにかかった人がいる」と答えた人は約9割に達した。がんに対する印象は、どちらかといえばを含め「怖いと思う」が89・0%を占め、2009年に内閣府が行った全国調査の75・7%を上回った。早期発見・治療のため、検診の必要性を認識している人は95%を超えた。しかし、実際に2年以内に受診した人は48・7%と大きな開きがあった。
未受診の理由は全体では「経済的な負担」(31・0%)、「時間がなかった」(26・1%)「必要な時はいつでも医療機関を受診できる」(25・2%)、「面倒」(20・0%)の順で多かった。女性に限れば「検査に伴う苦痛などに不安がある」が最多。年代別では20~30歳代は「時間がなかった」「そういう年齢ではない」が多く、60~70歳代では「必要な時は医療機関を受診できる」「たまたま受けていない」「結果が不安で受けたくない」が目立った。
がんに関する情報の認知度は、セカンド・オピニオン、緩和ケア病棟が7割、在宅緩和ケアも6割と高かったが、そのうち半数は「言葉だけ知っている」程度だった。
死期が迫っている時の療養場所は「自宅療養後、必要になれば緩和ケア病棟」を望む人が36・6%(女性では44・4%)で最多。「自宅療養後、医療機関」(13・2%)、「自宅で最後まで」(10・3%)を合わせ、何らかの段階で自宅療養を希望する人が60・1%に上った。
宇部は医療資源に恵まれているが、希望通りの療養生活を市内の施設・サービスを利用して実現できるかの問いでは、「できる」が22・1%、「できない」が15・6%で、62・3%は「分からない」と回答。特に自宅療養を「できる」と答えたのは10%しかなく、判断するための情報不足が明らかになった。
緩和ケアは、がんによる痛みや治療に伴うつらい症状を和らげる治療で、病気の初期段階から、病変の治療と並行して行うことがある。身体症状のほか、不安や気分の落ち込みなど心の問題もサポートし、外来や在宅でも可能だ。アンケートでは「終末期の患者だけが対象」(44・3%)、「病院、緩和ケア病棟など限られた場所でしか提供されない」(32・9%)、「痛みなど身体症状だけが対象」(17・4%)と、誤解している市民が多かった。
市では検診などの予防活動と併せ、がんにかかっても安心・納得できる治療やサポートを受けられるための情報提供、がんと診断された時の気持ちや不安を少しでも和らげる相談支援体制の整備などを進めていく。

カテゴリー:行政2012年3月19日

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