新市民病院、建て替えの妥当性を審議

防災の観点からアドバイスする三浦教授(市民病院で) 山陽小野田市新病院建設構想検討委員会(砂川功委員長、17人)は23日、市民病院で開かれ、白井博文市長から諮問された防災の観点における新市民病院の現地建て替えについての妥当性を集中審議し、想定される災害に対してソフト、ハードの両面から十分に備えれば病院機能は維持でき、患者らの安全も確保できることを確認した。9月に文書で、白井市長に正式に答申する。

検討委は昨年8月、「新病院は総額55億円をかけて現地で建て替えるのが望ましい」と市長に答申。市民への説明会の後、白井市長が年明けに、現地建て替えにゴーサインを出し、今年度は基本計画・設計費が予算化された。
しかし、3月に想定外の規模の東日本大震災が発生し、海の近くにある現地での建て替えに安全面で問題が無いかがクローズアップされ、改めて専門家の意見を踏まえ、検討委の考えを聞くことにした。
最初に新病院建設準備室が、計画中の災害対策を説明。地震対策については菊川断層によるものや直下型の地震で、市内で最大震度6弱(新病院建設地は震度5強)が考えられるが、官庁施設の新耐震基準の1・25倍となる耐震設計を行うことにより、クリアできるとした。
液状化対策については非常に緩いシルト粘土層の地盤であるが、問題視されている新浦安(千葉県)や神戸ポートアイランド(兵庫県)の液状化範囲が地下数十㍍であるのに対し、岩盤まで10㍍と比較的浅く、砂も少ないことから、くい基礎で対応できるとした。炭鉱を掘った跡の古洞についてもグラウト注入する特殊基礎工事で地盤補強する。
津波・高潮対策については、内閣府中央防災会議のデータでは東海、東南海、南海の三つの地震が連動して発生した場合、市の津波の高さは満潮時で2~3㍍と想定しているが、有帆川護岸の防波堤や海抜5㍍前後に位置するそばの市道で、ある程度、防げるという。
また、海抜1・2㍍の建設予定地をさらに1㍍かさ上げし、なおかつ1階部分には電気・機械室、コンピューター関連施設、透析センター、手術室などの重要施設は配置しないことで、災害時の医療提供体制は維持できると見込んでいる。
この日は、県地震防災対策推進検討委員会会長の三浦房紀山口大大学院理工学研究科教授がアドバイザーとして出席し、防災面での対策について「基本的には大丈夫だが、東海、東南海、南海の3連動に加え日向灘での地震も想定され、もし4連動で地震が発生すれば、津波の高さは想定以上が考えられることを頭に入れる必要がある。ソフト面での取り組みも重要になる」と提言した。
河合伸也病院局長は非常時の行動計画を明確にするBCP(ビジネス・コンティニュイティ・プラン=業務継続計画)をさらに医療(ホスピタル)現場において特化させたHCPを策定する考えを明らかにした。災害時のライフライン、医療機器、職員スタッフ、入院患者への対応などを網羅し、ソフト面から病院機能の維持を徹底させる。
意見交換では委員から「災害時には避難場所になるほど、病院だけは最後まで大丈夫な施設にして」、「昨年の厚狭水害では断水したが、防災井戸なども検討して」などの声が上がった。

カテゴリー:行政2011年8月24日

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